釣りバカ日誌

「あかぜ」と再会

「あかぜ」懐かしい出会いでした

 

とよ丸の船長が15年以上布良瀬でこの魚見かけなかったというように

たしかに長い間この魚を釣っていなかったことを思い出した。

初めて布良瀬に行ったのは私が33歳の頃、今から31年も前になる

仕事のおつきあい、私はメーカー営業、釣り好きな長島さんは商社、

二人で捺染業界を席巻しようと、

桐生、足利(両毛地区)を走りまわった仲間。

 

金曜日、仕事が終わって二人で房総半島を南下、

岩井あたりの蕎麦屋についたのが夜の9時ころ、

「伊藤ちゃん今日どうする、明日どこに釣に行く?」

「どうせなら一番南に走ろうよ!!

そういってスポーツ新聞を開き、

布良漁港の釣り船、とよ丸に予約を取った。

もうすぐ着くからとりあえず寝るところ、

そして明日の釣をお願いしますと。

翌日朝から船に乗って、船頭の言うがままの釣。

こませのサビキ釣だった鯵、ムロ鯵、

イサキ、タカベそのほかいろんな魚10目釣りでした。

船頭によるとその日はあまり潮が良くなく量が少ないとのこと、

われわれにすればクーラー7分目くらいまでいっぱいでホクホクだったのに。

それが初めての布良釣行、以降10年以上、毎週のように出かけとよ丸に乗った。

 

あまり数はないけれど時々浅い深度の海でかかってく魚、

細長いサバのような体形で特徴は腹に黄色い側線のある鯵、

これが「あかぜむろ鯵」なんでこの魚「あかぜ」というのか不思議で

きっと名前間違えているんだとおもってました。

 

この魚釣った後家に帰って刺身でいただく。これ実に美味しい。

釣をしない人には理解してもらえないかもしれませんが、

鯵は鯵でもムロ鯵は釣り人にとって評価が極めて低い。

あ〜、またかかってきたよ、みたいな魚です。

でもこのあかぜが釣れるとほかの人の目を気にしながらも、

これで今日も美味しい刺身確保、とほくそ笑む。

この魚実は知る人ぞ知る、うまい魚として名が通っている魚でした。

 

あかぜとは長い間こんな付き合いで私自身の評価があいまいのまま

(釣りごたえのない魚、釣れる時は山のように釣れる、

刺身で食べるとやたらうまい)私の記憶から消えてしまいました。

 

というのはこの魚今から20年くらい前に

布良瀬から消えてしまっていたからです。

 

7月26日に久々に布良瀬に行くことに決めた理由は、

実はこの「あかぜ」との久々の遭遇をもくろんだからです。

インターネットで釣り情報を今も欠かさず見ていますが、

懐かしい「とよ丸」のページにあかぜの釣果が記載されていたからです。

なんとあかぜが布良瀬につくのは15年以上ぶりだそうで、

船長も釣するみんなに是非食べてもらいたいと思っていたそうです。

 

伊藤ちゃん何十年こなかったね とよ丸船長、あごひげや頭が白くなって、

お互いさまながら年を感じざるをえない。

でも性格は昔と変わらずさっぱりした魚好きのいい親父。

今伊藤は日本に住んでいない、久々の帰国だからとよ丸に乗ったんだよ。

それから中国で店を出して店の名前は「布良瀬」だよ、っていうと

「エーッ そうかい」と言いながらなんともうれしそうな顔をした。

 

4時過ぎに集合して5時には、布良瀬に到着

べたなぎの海にも布良瀬特有の波のざわめきが。

あ〜本当に久しぶりの布良瀬!!

海を見ながら感動を覚える。

こませを入れてイサキ釣りの天秤を海に落とし込む。

第一投は真鯵、その後も真鯵の攻勢が続き、

そのあと横っ走りするムロ鯵、あかぜが釣れ始める

懐かしい布良瀬の香 30年前と変わらない。

 

あかぜは旨い!!それは知っているけど何しろ釣り味がない。

かかったと思ったらバタバタとほかの針にもかかり、引き上げるときは

小さい体を全力で横走りをしてふらつく。

こちらもやっぱり、あ〜またかかっちゃった、という魚です。

美味しくいただけるだけあれば、後はもっと引きの強い魚と時間を過ごしたい。

わがままな釣り人の心理です。

 

結局その日はイサキが15匹と少なめで小型の真鯛、

メイチダイ、1kgの沖メジナ、でっかいウスバハギに

30センチくらいのウマズラハギが四匹。

そして真鯵50にあかぜ35匹、こんな釣果だった。

 

さて、家に帰って食事を作る。これ私の恒例行事。

鯵を刺身に、あかぜを大葉、ミョウガ、生姜にたっぷりの白ネギを

みじんに切ってまぶす。たたきで!!イサキは塩焼。

そして翌日の朝の塩焼用にあかぜを2匹確保し

(翌日朝のあかぜ塩焼も絶品でした)

後の魚はおふくろにゆだね、私が不在の時に90歳の母を

面倒を見てくれている人に。少ないけど感謝の気持ちです。

 

今も釣ったあかぜの味思い出すとむしょうに胃袋が反応します。

本当にめったに味わえない魚、久々の布良瀬で堪能しました。

ムロ鯵の仲間、どんな形をしているのか写真を載せました。

 

1番目があかぜむろ鯵

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2番目がクサヤムロ鯵

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3番目がムロ鯵 モロとも呼ばれます、味はおちるかな?

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4番があかあじ。ムロアジ属では血合いの少ないもの。食べるとまことにうまい。特に刺身は絶品。秋には脂ものり、身に旨味がある。脂がのってうまいので塩焼きにもできる。こいつもおいしいですよ。

あかぜはさっぱりした旨みが特徴

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5番は尾あか鯵 外房の深場でクーラー2個分釣ったことがあります脂があって、干物で美味しくいただきました。

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