中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
インフルエンザや風邪に罹ってしまったら? 風邪やインフルエンザの予防法は?
日本や上海でも感染が拡大している風邪やインフルエンザ。
インフルエンザに罹ってしまったら!風邪やインフルエンザの予防法は?免疫力を上げるには?など、今、知りたい疑問を古川先生に聞いてみました。
風邪やインフルエンザに罹ってしまったら
インフルエンザというと高熱や頭痛、激しい咳・くしゃみといった症状が特徴ですが、今年のインフルエンザでは、それらの症状に加えて、下痢・腹痛・胃もたれ・吐き気といった胃腸の不調を訴える方も多くいらっしゃいます。
感染性の胃腸炎は例年冬に流行しやすいため、胃腸炎かな?と放置してしまう方も多いのですが、高熱や頭痛が伴ったりする場合は、風邪やインフルエンザの可能性が高まります。
春節休暇中に日本へ一時帰国されたり、海外で休暇を過ごしたりすることで、親戚や家族、友人などと集まる機会が増えます。
知らず知らずのうちにウイルスをうつし合ってしまい、春節休暇明けごろに潜伏期間を経たウイルスが一気に症状を引き起こし、大流行が確認…。このようなケースは、以前流行した新型コロナウイルスでもよくあったパターンです。
Q. 急性胃腸炎のような症状(下痢、腹痛、吐き気)とともに風邪のような症状(くしゃみ、寒気、発熱)があった時はどうすればいいですか?
A.
インフルエンザに対する抗ウイルス薬はいくつかありますが、これらの薬は基本的にはウイルスの増殖を抑える薬になるため、できるだけ発症から短い時間での服用が効 果的になります。また漢方薬もこれらの薬と同時に服用すると治療が早く進みます。
胃腸炎のような症状を伴う風邪や、インフルエンザには、特にお勧めなのが「午丑茶」という漢方薬です。
「午丑茶」は甘くて飲みやすくまるで午後のティータイム。
お子様でも飲みやすくて安心です。
「午丑茶」が効く主な症状:下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、寒気、頭痛、発熱など
上記のような症状があったら早めに受診をしてください。
風邪やインフルエンザにならないために!重要な予防法
Q. 毎日多くの患者を診察するお医者さんは、風邪やインフルエンザをどう予防していますか?
A.
私たちもしょっちゅう患者さんに聞かれます。「これだけ患者さんと接していて、自身はどうやって予防しているんですか?」と。これは一例ですが、私たちの予防策を教えますね。
❶移動するたびに必ず手を洗う
手を洗うのはもう基本です。インフルエンザ流行期には、どこかを触るということはたくさん人が触れている場所に自分の手が触れるわけですから、やはり外へ出たときには必ず手を洗いましょう。基本的に手が鼻・口にいかなければいいので、食事をするときには、必ず手を洗う、それと人混みに行ったときには必ず手を洗うことです。
❷診察のたびに飲み物を飲む(菊茶がいいです)
喉の粘膜を乾燥させてしまうと、そこが脆弱になって菌やウイルスが入ってきやすくなる可能性があります。
なので常に喉を潤しておくことも大事です。飲み物は殺菌効果があるとされている「菊茶」がお勧めです。
❸マスクは1日最低4回以上交換する
人混みではマスクを着用するのは基本ですが、2日以上同じマスクを使うと効果がありません。できれば外出ごとに取り換えるのが理想です。マスクの表面にウィルスが入った飛沫が付着している可能性もあるので、マスクの表面は触らないようにして取り外しましょう。
❹『ぶくぶくうがい(毒出しうがい)』をする
口の中が汚いと悪い菌が増えてしまい、インフルエンザ後の肺炎のリスクが高まると言われています。なので口の中も綺麗に保つことは大切です。下記の「ぶくぶくうがい」をして常に口の中を綺麗にしておきましょう。
≪毒出しうがいのやり方≫
〔1〕口に含んだ水を上の歯に向けて強く早くぶつけ、10回ぶつけたら水を吐き出す
〔2〕同じように下の歯、右の歯、左の歯にぶつけるようにうがいを行う。
※口に含む水は30ml(ペットボトルの蓋2配分)程度
❺睡眠時間を死守する
睡眠時間はやはり重要です。睡眠時間が変わるだけでも風邪をひきやすくなるので、睡眠時間はきっちり確保してください。 最低でも6時間は死守し、寝不足のときは昼寝で15分睡眠時間を追加しましょう。
Q. ほかに部屋の中にいるときに予防できるポイントはありますか?
A.
論文で、ウイルスは高温多湿で早く死んでいくというデータがきちんと出ていますので、温度を上げながら湿度を高くするということが非常に重要なポイントです。
◆室温は20℃以上に保つ
◆ひざ掛けやストールを巻くなどして、部屋の中でも体を冷やさない工夫をする
◆加湿器などで湿度を50%以上にする
※加湿をして、空気中のウイルス飛沫、ウイルスの塊に水分を含ませて重くして下に落とすことも重要です
◆こまめな水分補給をする
◆あめなどでのどを潤す
◆換気は非常に重要!ある程度の時間をあけて 空気を入れ替えてください
免疫力をUPする方法
Q. 同じ環境にいて同じように予防をしていても、インフルエンザにかかる人とかからない人がいるのはどうしてでしょうか?
A.
免疫力の強さやワクチンの有無、疲れや睡眠などの体調によるインフルエンザのウイルスは、口や鼻などから侵入し、喉の粘膜に定着します。このとき、免疫力が低いとウイルスが増殖して発症しますが、免疫力が高いと増殖せずに発症しないのです。
Q. 免疫力があるのはどういう人ですか?
A.
インフルエンザや風邪を発症しないというのは、「自然免疫」という初期の免疫が非常に強いケースなのです。後で抗体ができて免疫力が上がるのではなくて、最初から入ってきた病原体をうまく抑えることができる免疫を持っている人がいるんです。
Q. その「自然免疫」はどうやって得られますか?
A.
基本的には持って生まれた個々人の体質の一つだと思います。後天的には、運動しながら規則正しい生活と良いタンパク質を日々摂取しているというような形で、ある程度日常から免疫力を上げていくということはあります。
Q. 免疫力が上がる治療法はありますか?
A.
今からでも下記の方法で免疫力を上げておきましょう。免疫力を上げる漢方も処方しています
~免疫力を上げる方法~
□ 摂取した食事をしっかりと栄養にするために、胃腸と腸内環境を整える!
漢方で胃腸の消化吸収能力を高め、健康な腸の働きに戻します。また、胃腸の血流も 改善されるので腸内細菌を育てる食物をした後、免疫力も徐々にあがってきます。
□ 睡眠の質を上げる!
免疫力をUPするうえで、上質な睡眠程重要なものはありません。朝起きた時に疲れが取れていない、睡眠の質が悪い、ストレスで心身共に疲れている状態だと、免疫力は下がってしまいます。
漢方で身体の陰陽バランスを整え、ストレスを軽減するため「肝」の血を補います。鍼治療で自律神経のコントロールを同時に行えば、徐々に睡眠の質は上がってきます。
【ドクターからの一言】
今回は風邪とインフルエンザの対策と予防について解説しました。乾燥、冷え込みが 強くなり、本格的なインフルエンザの流行シーズン真っ只中です。風邪にかかりやす い時期でもあるので、いざというときのために漢方薬を準備しておくなど、しっかり と対策して、健康な毎日を目指していきましょう。
また、今年はマイコプラズマも流行している現状です。何か気になる症状(ひどく長引く咳、下痢や腹痛、吐き気、風邪やインフルエンザの症状)がある場合は、すぐにご相談ください!
今回、ご紹介した「インフルエンザの予防法」や「罹ってしまったときの対処法」は、当院の古川先生が実施しています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦いの?など、なんでもご質問ください!
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- 2025年02月07日
乾燥に!潤いを与える!11 月の薬膳和食
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第三十一弾!
11月、今回の薬膳料理レシピは、「乾燥の季節に潤いを与える」がテーマです。
11 月というと、秋から冬へとだんだん季節が移ろいでいく時季。日中の気温もぐっと低 くなり、空気の乾燥も気になってきます。ウイルスが飛散しやすく、同時に喉や鼻の粘膜が乾燥することで、体調を崩し風邪をひきやすい時季でもあります。これからますます強まる寒さや乾燥に備えて、体のコンディションを万全に整えておきましょう。
今回は乾燥対策にぴったりの潤い食材をたっぷり使用した、ヘルシーでシンプルな薬膳和 食2種類をご紹介します。
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮し て、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が 「薬膳」に!
さあ、「潤い」を補う薬膳料理で、乾燥の季節に備えましょう!
潤いを補う!「薬膳和食」レシピ①「きのこと鶏肉の炊き込みご飯」
【材料】(4人分)
米 ・・・・・ 1 合
ヨクイニン(ハト麦)・・・ 1 合
※ない場合はお米 2 合でも大丈夫です。
椎茸 ・・・・・ 50g
しめじ ・・・・・ 50g
鶏ひき肉 ・・・・・ 100g
銀杏(ぎんなん) ・・・・・ 8 粒程度(水煮を使用)
みりん ・・・・・ 大さじ 1
醤油 ・・・・・ 大さじ 2
酒 ・・・・・ 大さじ 1
生姜 ・・・・・ ひとかけ
【作り方】
❶ 米とヨクイニンをといで炊飯器に入れ、2 合の目盛りから大さじ 2 杯程度減らした 量の水を入れます。 ※ヨクイニンをいれる場合は、6時間以上、この状態で置いてから下記の調理に入ります。
❷キノコ類は手で小さく割く。生姜は千切りにします。
❸❶に❷と鶏のひき肉、銀杏、みりん、醤油、酒を加えて炊飯します。
❹炊き上がり!
蒸らしている間にもう一品
潤いを補う!「薬膳和食」レシピ②「秋の野菜たっぷり豆乳汁」
【材料】(4人分)
昆布出汁 ・・・・・ 400cc(昆布 15cm 程度)
※市販の出汁パックでも代用もできます。
豆乳 ・・・・・ 400cc
ニンジン・大根・えのき ・・・・・ 各 60g 程度
里芋 ・・・・・ 4 個
白だし醤油 ・・・・・ 大さじ 2(なければ薄口醤油でも代用可)
みりん ・・・・・ 小さじ 2
【作り方】
❶ 昆布であらかじめ出汁をとっておきます。
❷ニンジンは細切り、大根は薄く扇形に切り、里芋は皮をむき食べやすい大きさに切っ ておきます。えのきは軸を切ってから半分に切ります。
❸全ての材料を❶の出汁で 5 分程度煮込みます。
❹炊き上がり!白だし醤油、みりんを加え、最後に豆乳を入れて温めれば完成。
先ほど作った「きのこと鶏肉の炊き込みご飯」と一緒に盛り付けましょう。
【ワンポイントアドバイス】
白だし醤油とみりんの代わりに、白みそを入れるとより濃厚な豆乳汁になります。
古川先生による薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体を潤す効果のある食材を教えてもらいました。
【秋冬にお勧めの食材】
豆乳
豆乳は、体に潤いを補うとされる白い食材。大豆として摂取するよりもタンパク質の消化 吸収率が高まります。また、豆乳は咳を鎮め、痰を取り除く「鎮咳化痰」の効能があるの で風邪を引いた時にも積極的に摂取できる食材です。他にも豆乳は口が渇く、肌が乾燥するといった方にも良い食材です。
里芋
これも体に潤いを補うとされる白い食材です。12 月に出荷の最盛期を迎えます。胃腸を 補うはたらきがあり、胃腸の消化をよくしエネルギー吸収を高めてくれます 。なので胃 腸 のトラブルが多く出やすい、脾虚の体質の方は、積極的に摂りたい食材です。また、胃腸の緊張を緩和して働きを向上し、高血圧の予防、むくみ解消や痰を切る働きがあるといわれています。
きのこ
免疫力を高めてくれる食材です。また五臓六腑を癒すはたらきがあるとされ、元気がない、疲れやすい、倦怠無力感、食欲不振など気の働きが不足 しているときに有効な食材です。 高血圧や動脈硬化の予防、コレステロールの抑制、便秘の予防にも効果的な食材と言われています。
上記の食材は、今回紹介した2つの薬膳和食レシピにも入っているので、是非、作ってみてくださいね!
ドクターからの一言
乾燥に備えて!この季節の養生法を!
この季節の養生で、気を付けたいのは、喉や鼻などの外気に直接触れる器官、そして寒さに弱 い腎(膀胱)です。喉や鼻の粘膜は特に乾燥に弱いところです。また、皮膚も乾燥するとひび 割れやかゆみなどの原因にもなります。粘膜や皮膚を潤し、乾燥を防ぐことを心がけましょう。 乾燥で喉に痛みが生じたら、「銀耳雪梨」がお薦め。
銀耳雪梨(イメージ)
またナシの芯の部分をくり抜き、くり抜いた部分にハチミツと漢方薬を入れて煮ます。痰が出 る場合はスライスしたショウガをくり抜いたところに数枚入れて一緒に煮てください。ハチミ ツは喉を潤し、ショウガは痰を取り除く働きがあります。マスクを着けて寝るのもお勧めです。 また、この季節に冷えは禁物。冷たいものや体を冷やすものは、ショウガなど体を温める食材 と一緒に取りましょう。
咳・鼻水が止まらない、乾燥した肌の痒みが治まらない、といった症状になった場合 は、クリニックに早めに相談してください。早期に漢方で治療すると、長引くこともあ りません。しっかりと治療すれば体質の改善にもつながります。
まずはご相談ください。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、この時期の乾燥や風邪症状でお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2024年11月19日
風邪に感染後の長引く咳、鼻炎には漢方が有効です!
風邪を引いた後、こんな症状が残っていませんか?
□ 咳がずっと止まらない
□ 倦怠感が残り、すごく疲れやすくなった
□ 鼻水、鼻づまりが続いている
実は、感染症は、漢方薬が最も威力を発揮する分野なのです~
風邪に感染した後、咳がずっと続く、鼻水や鼻詰まりに悩まされているという人も多く、 当院にご相談に来られる方もたくさんいます。
「感染症に漢方薬?感染症の治療は、速効性のある西洋薬じゃないと無理でしょ」 「漢方薬でのんびり体質改善している場合じゃないでしょう?」
そうした思いを抱かれた人も、少なくないでしょう。
漢方では風邪を引いた後のこれらの症状は「余熱」や「脾虚症候群」が原因と考えます。 風邪の後に残る症状を根本的に改善するための漢方処方があり、今までの患者さんにはそれが良く効いています。
今回は、古川先生が実際に処方して成功している「風邪感染後の症状改善」について、 症状別に解説してもらいました。
咳が止まらない
痰が気管に絡みそれを排出するために咳が出るタイプ、気管に炎症が残っているため咳が 出るタイプの二種類が考えられます。
ウイルスで損傷された組織とウイルスの残骸が痰として排泄される前者のタイプの人には 「止咳化痰の生薬」を主に調合します。細胞損傷や免疫の過剰反応などが原因で気管の粘 膜に炎症が残り、それが刺激となって咳になるタイプの人には、「組織を修復する活血の 生薬」「免疫反応の乱れを調節する生薬」を主に調合します。
タイプ別に調合する生薬を細かく調節していくので、市販の咳止め薬でも咳が止まらない 人でも、早期改善が可能なのです。
鼻水鼻詰まり
鼻水は排泄される痰の色や質で生薬を調合します。次に鼻詰まりには細かく、炎症が残っ ているタイプ、粘膜が浮腫んでいる虚弱体質のタイプ、血流が悪く鼻腔が乾いているタイ プ、便秘や下痢などで腸に問題があるタイプ、心臓が悪く足が浮腫むタイプなど、様々な 原因が関係しているので、それぞれのタイプ別に生薬を調合して治療します。
鼻詰まりは、疲れや睡眠の質の低下にも影響するため、早めに積極的に治したい症状です。
疲れが取れない
風邪やインフルエンザ感染時に、高熱のため解熱剤を服用したり、その他の薬物を摂取し たため、胃腸の働きが乱れる人が多く、また、感染中に下痢などの症状があり直接胃腸を 損傷してしまっている方も多く診られます。このような方々は、感染後の「脾虚症候群」 という状態になっていることが多く、消化吸収が上手くいかないため体力回復に長い時間 を要してしまいます。舌の上に白い苔や汚れがある人はこのタイプです。もともと、感染 中は体力を奪われる状態が続いているにも関わらず、喉の痛みや高熱のため、食事もうま く摂れないまま、胃腸の調子も乱れると、慢性的な疲労が蓄積していきます。
このような場合は、胃腸を調節する生薬を主に調合し、体力をつける滋養強壮の生薬を調 合し、早期に体力が戻るように補っていきます。
★医師からの一言★
風邪やインフルエンザ感染症後の残ってしまった症状は、早期に治療すればするほど治療 効果は期待できます。長期に抗生物質を使用したり、咳止めや鼻炎の薬を服用すると、胃 腸の負担が多くなり、逆に回復まで非常に長い時間がかかると考えられます。
熱が下がった状態でも、上記のような症状がある場合は、症状を長引かせないためにも、 すぐにでも漢方薬治療を始めることが大切です。
★漢方豆知識「傷寒論」★
そもそも漢方は感染症のパンデミックを抑え込む薬として生み出されました。1800 年 前に書かれた『傷寒論(しょうかんろん)』は中国伝統医学の有名な古典ですが、こ れは漢方薬初の“感染症治療マニュアル”とも呼べるもの。感染症の脅威を目の当たり にした、張仲景という医師が、病に立ち向かおうとして編纂したものです。
傷寒とは、今でいうインフルエンザや新型コロナのような急性熱性疾患を指します。 『傷寒論』の序文には、当時のこんな記述が残されています。
「わが一族は以前、2 百余名もいたが、建安元年(西暦 196 年)から 10 年足らずの 間に 3 分の 2 が死亡した。このうち傷寒病で死んだ者が 7 割を占めている」
このとき猛威を振るったのは、インフルエンザやチフス、マラリアのような感染症 だったのではないかと考えられています。そこで、張仲景医師は一大決心をして先人 の経験や教訓、多くの医師や民間の療法を研究・収集して、傷寒論を書き上げたのだ と言われています。
傷寒論の中には、現在もよく知られている葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおう とう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、また前述の芍薬甘草湯や小青竜湯も登場し ています。つまり、漢方薬は現代に至るまで脈々と受け継がれ、1800 年もの使用実績 があるということです。
例えば、1918 年から始まったスペイン風邪のパンデミック。日本でも多くの感染者や 死亡者を出しましたが、ここでも漢方が効果を発揮したケースがありました。その時 もある著名な漢方医は傷寒論をはじめとした漢方処方を駆使して、自身の患者を一人 も死なせなかったという逸話も残っています。
今回、ご紹介した「長引く咳や鼻炎症状の改善」は、当院の古川先生が実施し ています。古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで 受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、風邪を引いた後に咳や鼻炎症状がなかなか治らない 方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、治療期間はどのくらいかかるの?漢方薬は苦いの?
など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2024年10月22日
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