BODY&SOULとは
身体の「湿」を除去する!6月の薬膳料理
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第二十八弾!
6月、今回の薬膳料理レシピは、「身体の湿を取り除く」がテーマです。
スッキリしない曇り空が続くこの季節。ジメジメしてくるとこのような体調不良がおこりませんか?
★頭や体が重だるい。
★むくみ
★下痢、軟便
★残尿感
★食欲がなくなる。胃腸の不調。
★湿疹など皮膚トラブルがでてくる
★関節が痛む
人の身体は内側からでなく、外側からも湿気を吸収してしまいます。いわば、水を含んで膨張 したスポンジのような状態になるのです。イメージしてください。スポンジが自分の身体だと すると・・・この状態はまさにむくんでパンパンになる感じですね?
この湿気による体調不良のことを中医学では「湿邪」と表現します。
胃腸の弱い人にとっては、この「湿邪」が身体に溜まり、脾胃の働きがさらに低下してしまうのです。これらの状態は長引いてしまうのが特徴で、日々、念入りにケアする必要があります。
今日は水分代謝をスムーズにして、梅雨時期の体調不良を改善する食べ物をいくつかご紹介し ます。梅雨になるとお部屋の湿をとるために、除湿機や除湿剤を活用しますね。人間の身体で も同じです。身体の中の余分な湿を外に出し、バランスのとれたカラダにして、体調を整えて いきます。
「脾」を補う薬膳料理で、カラダに溜まった湿気を取りましょう!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、 ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が 「薬膳」に!
さあ、「脾を補う食材」を使って「湿気」対策をしましょう!
身体の湿を取る!「薬膳料理」レシピ
「冬瓜ととうもろこしのポタージュ」
カラダの中の湿気を取る利尿作用とデトックス効果の高い冬瓜ととうもろこしを使ったス ープです。
【材料】
冬瓜・・・ 200 グラム(実ごと)
とうもろこし・・・ 1 本(軸込み)
玉ねぎ・・・ 4 分の 1 個
だしの素・・・小さじ 1
水・・・ 400ml
豆乳・・・ 100ml
コンソメ・・・大さじ1
オリーブオイル・・・小さじ1
塩、コショウ・・・少々
クコの実・・・飾り程度
【作り方】
❶ 冬瓜はワタを取り除き 1 口大の大きさに切ります⇒(ワタはだしパックに入れておき ます)
❷とうもろこしは包丁で芯※と実を切り分けておき、玉ねぎは薄切りにします。
❸鍋にオリーブオイルを入れ、冬瓜と玉ねぎを炒めます。
❹玉ねぎが透明になってきたら、水とだしの素と、だしパックに入れた冬瓜のわたを入 れます。沸騰したらとうもろこしとコンソメを入れ、弱火~中火で 10 分煮込みます。
❺火を止めてだしパックをとりだし、荒熱をとってからフードプロセッサーで攪拌します。
❻再び鍋にもどして、豆乳を入れ火にかけます。最後に塩コショウで味を整えます。
❼クコの実を浮かべて出来上がり~!
【ワンポイントアドバイス】
※とうもろこしの芯は、お味噌汁の具材を煮るときに、一緒に入れて煮ると、甘く香ばし いとうもろこし風味のお味噌汁ができます。
古川先生による「湿邪除去」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、脾を補い、身体の湿気や水分を取る食材を教えてもらいました。
これらの食材の一部は、今回紹介した「冬瓜ととうもろこしのポタージュ」にも入って いるので、是非、作ってみてくださいね!
ハトムギ(薏苡仁)
ハトムギは前述したように、利尿作用があるため、余分な身体の湿を取り「脾」を補う食 材です。また、にきびや子供の水いぼの治療にも使われるように、毎日食していると、美 肌にも良い効果があります。ただ、身体を冷やす働きがあるので、冷え性の方や妊婦さん は食する量に注意が必要です。
【低カロリーでデトックス効果のある食材】
冬瓜
冬瓜はほとんどが水分で、低カロリー。ビタミン類も少ないですが、体に溜まった余分なもの の排泄を促すので、食べ過ぎ飲み過ぎが気になる方にもおすすめです。「肺」の機能を助け、 水と気の巡りを改善し、利尿作用があり、むくみを解消する、体や頭の熱を冷まして喉の渇き を癒す、などの効果があります。
皮や種、わたの部分を干したものは漢方薬としても用いられ、むくみがひどい時や尿の出が悪 い時などに、煮出してお茶やスープとしていだたくことも。煮物やスープにして煮込むときは、 わたと種と皮はだしパックに入れて一緒に煮込むといいでしょう。
【利尿作用があり、冷え対策にもなる食材】
とうもろこし
とうもろこしは、夏場の主食代わりにおすすめ食材です。糖質をエネルギーに変えるビタミン B1、2 が豊富で、夏バテ予防になります。また、血の巡りをよくしてくれるので、冷房によ る冷えすぎが気になる方の冷え対策にもおすすめです。さらに利尿作用があり、食物繊維が多 く、便秘解消にも効果的と、いいことづくめの食材です。
ちなみに、とうもろこしのヒゲを干したものは漢方薬として使われ、お茶としても売られてい ます。とうもろこしのヒゲは、実の部分より利尿作用が高く、特にむくみが気になる方におす すめです。
ドクターからの一言
梅雨から初夏にかけて、利尿効果の高い食材を積極的にとることも大切です。 とうもろこし、 緑豆もやし、冬瓜は梅雨の「除湿3大横綱」と言えるでしょう。また同時に、この時期控えた いこと・気を付けたいポイントがあります。
1つは「甘いもの・脂っぽいものを控える」ということ。そしてもう1つは「冷たいもの・生 ものを控える」ということです。
これらは、「脾」に負担をかけないためにとても重要なポイントです。また疲れやすいときや、 食欲がないときなどもこのポイントには気をつけましょう。 他に、中医学では思い悩んだり、憂いを感じることは、「脾」の働きに影響を及ぼすとされて います。まさに心とカラダはつながっているのです。そのため、梅雨時期は特に気を付けて、 次のように過ごすことをおすすめします。
「晴耕雨読」と昔の人は言いましたが、雨の日は家で本を読んだり、お香をたいたり、音楽を聴いたり、普段気になっていた場所のお掃除をしたりして、雨の一日を楽しむことも養生になるのかもしれません。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、梅雨時の体調不良でお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
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- 2024年06月25日
肝を補い心安らぐ!4月の薬膳イタリアン
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第二十七弾!
4月、今回の薬膳料理レシピは、ストレスや不安を受け止める「肝」を補う!がテー マです。
過ごしやすい季節になってきましたが、ゴールデンウィークが過ぎると、五月病にな る方が増えてきます。新しい環境になじめず、ストレスを受けやすくなり、カラダや ココロの不調が出やすくなります。
中医学において、ストレスを受け止める臓器は五臓の「肝」とされています。「肝」 は自律神経とも関わりの深い臓器です。春に、よく働いて疲れている「肝」に栄養を 与えて癒す食材を食することは、エネルギーがたくさん必要な夏に向けての身体の準 備にもなります。
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考 慮して、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が 「薬膳」に!
さあ、「腎を補い身体を温める食材」を使って季節の変わり目に備えましょう!
肝を補う!「薬膳料理」レシピ
「あさりとセロリの簡単パスタ」
【材料】3 人分
あさり……400g
セロリ……1 本
スパゲッティー……240g
にんにく……1 片
唐辛子……1/2 本
白ワイン……大さじ 2
オリーブオイル……適量
塩、こしょう……適量
イタリアンパセリ(パセリでも可)・・・・・・適量
【下ごしらえ】
★あさりは砂だししておきましょう。
【作り方】
❶ セロリは斜め切りにして、にんにくはみじん切り。唐辛子は半分にして種を取りの ぞいておきます。
❷鍋にたっぷりの水を張り、分量の 1 パーセントの塩を入れて沸騰させ、パスタをゆ でます。
❸フライパンにあさりと白ワインを入れ、ふたをして蒸し煮にする。口が開いたら汁 ごと別の容器に移しておきます。
❹❸のフライパンを軽く洗って、ニンニクと唐辛子とオリーブオイルを入れます。フ ライパンに火をかけ弱火でじっくり炒めます。にんにくのいい香りが出てきたら、セ ロリを加えていためます。
❺❹のフライパンに茹で上がったパスタ、ゆで汁少々、あさりを汁ごと加え、塩コシ ョウで味を整えます。
❻器にもりつけたら、最後にイタリアンパセリ(なければパセリでも OK です)のみ じん切りを、振りかけて出来上がり。
【古川先生による「肝」を補う薬膳食材講座】
今回、レシピ監修をされた古川先生に、「肝」を補う食材を教えてもらいました。
あさり
あさりは「肝(かん)」(肝臓)の働きを調えて、体の余分な熱を取り、情緒不安定 からくるイライラやモヤモヤを鎮めます。また、利尿を促す働きがありむくみが気に なるときにもおすすめです。またタウリンやベタイン、ビタミン B 群などの疲労回復 を助ける栄養素が多く含まれているため、疲れを感じているときにも食べたい食材で す。今はあさりは身が膨らみ一年で一番美味しく栄養たっぷりの季節なので、ありが たくいただきましょう。
セロリ
セロリには、解熱・頭痛の緩和・精神安定・不眠の改善・整腸作用などの効果がある とされています。セロリの爽やかな強い芳香は、ストレスによる不安や緊張をやわら げ、不眠の改善にも効果があります。中国では、むくみの改善や肺熱による咳止めに も用いられてきました。
上記の食材の一部は、今回紹介した「あさりとセロリの簡単パスタ」にも入っている ので、是非、作ってみてくださいね!
★季節の土用の豆知識★
土用の丑の日と言えば夏(夏土用)を思い出しますが、実は土用の丑の日は夏だけで はなく、春にも秋にも冬にもあります。それぞれ春土用、秋土用、冬土用と言います が、春土用の期間は、今年 2024 年は 4 月 16 日(火)から 5 月 4 日(土)になりま す。
土用とは、土公神(どこうしん)又は土公様とも言う陰陽説における、土をつかさど る神様が、春はかまど、夏は門、秋は井戸、冬は庭にいるとされ、季節ごとにその場 所の「土を動かしてはいけない」と言われています。また、春土用には、いんげん豆やいわし、イカなど「い」がつく食べ物や、豆腐、白米、大根などの白い食べ物を食 べるとよいと言われています。
ドクターからの一言
環境の変化から疲労が重なる、不規則な食事が続く、お酒の飲みすぎが続くなど、新 生活では「肝」の血が不足しがちになります。「肝」の機能が低下すると気(エネル ギー)の上昇も足りなくなるので、元気がない、やる気が起きないといった、うつ気 味の症状や、不安、不眠、月経不順などの症状が現れるようになってきます。
このタイプの養生は、「血を補う」「肝を養う」「不安を発散する」ことが大切です。 しかし、眠りの質が悪くなってきた、朝、身体が怠い、仕事のパフォーマンスが落ち てきたという症状になってくると、食事では補えない段階になります。そういった場 合は、是非、相談に来てください。
漢方治療の他に、鍼治療や推拿治療など、組み合わせた治療方法で、早く改善できる でしょう。
まずは一人で悩まずに、相談にきてください。一緒に解決してきましょう。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、原因不明の疲れでお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳 しい古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
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- 2024年04月30日
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- 2023年09月05日
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