働く方に起きやすい不調

「生理痛があるのが普通だと思っていた」毎月起きる月経痛

 

2-2

 

月経痛に悩まされている女性は少なくありませんが、本来、月経痛はないものです。

 

月経の時の子宮は、中の経血を外に押し出そうとして縮んだり伸びたりしています。経血が出にくいと、子宮は何度も強く縮んで経血を押し出さないといけません。この時に子宮を動かすために出る物質が痛みを感じる原因になっているといわれています。

 

月経痛が起きる原因は主に6つあります。

 

 

1、子宮の位置や構造により、経血が出にくい

 

(子宮の入り口がせまい、未成熟、子宮が後ろに倒れているなど)

 

2、痛みを感じさせる物質プロスタグランジンの出る量が多い

 

3、子宮内膜症、子宮筋腫などの病気がある

 

4、ストレスや緊張

 

5、冷え

 

6、元気不足、血液不足

 

 

血液がスムーズに排泄されないことが痛みの原因となっているケースが多いです。

 

働く女性の月経痛の原因になりやすいものは、4番と5番です。

 

 

 

 

■ストレスや緊張による月経痛

 

 

生理痛がいつもより重かった時、ここ1カ月の生活を考えてみてください。

 

大きな企画を任されて、根を詰めて仕事をしていませんでしたか?プライベートで嫌なことはありませんでしたか?または、ストレスを解消させようとして、お酒をたくさん飲んだり、夜更かしをすることは多くありませんでしたか?

 

ストレスや緊張により、人間の体の中の物を動かすエネルギーの動きはうっ滞しやすくなります。

 

中医学では、生命活動を維持するエネルギーや、臓器の機能、ものを動かす力などを「気」と呼び、「気」があるのにうっ滞してうまく機能していない場合を「気滞」と呼びます。

 

bas5-1

 

 

 

 

 

■冷えによる月経痛

 

 bas5

 

 

 

 

 

中医ではこう治す!

 

 

体調を聞き、舌を見て、脈を触り、体質と体調をチェックします。

 

必要な場合は血液検査やエコーなど各種検査をお勧めすることもあります。子宮筋腫や子宮内膜症などの病気のせいで月経痛が現れていることもあります。この場合は、普通の月経痛の治療に使う生薬よりも働きが強い薬を使います。

 

治療に使う生薬の組み合わせ方は中医師の経験がものを言います。以前漢方薬を飲んでも症状が改善しなかった方でも、経験のある中医師に診察してもらうことで、改善するケースは少なくありません。

 

 

 

ストレスや緊張が原因で起こる月経痛

 

ストレスや緊張が原因で起こる月経痛の場合、気持ちをリラックスさせ、うっ滞した「気」の流れを良くする生薬を主に使います。

 

血流が悪い症状が強く出ている場合は、「気」の流れを良くする生薬の中でも血液を動かす力が強いものを選びます。中医では「不通則痛」という言葉があります。「血液やエネルギーの流れが悪くなると痛みが生じる」という意味です。

 

月経痛も、この状態だと考えます。血流を良くする生薬や「気」の流れを良くする生薬の中には、痛みを止める働きがあるものも多くあります。「滞っている」状態が解消されれば、自然と痛みは減っていきます。

 

いつも緊張をしている方はホルモンバランスが乱れ、月経不順があることも多いです。この場合も中医で一緒に治療をすることができます。

 

 

 

冷えが原因で起こる月経痛

 

冷えが原因で起こる月経痛の場合は、血流を良くする生薬の他に、体を温める働きのある生薬を使います。血液が少なくなっても冷えやすいので、必要に応じて、血液を補う薬も合わせて使います。

 

漢方薬を飲みながら、生活習慣の改善も必要です。診察の際に中医師からアドバイスをします。

 

 

一口メモ

 

中医学では月経を「腎」と関連づけて考えることが多いです。「腎」は西洋医学の腎臓そのものではありません。子宮や卵巣など生殖器系の働きや、成長発育を主るほか、若さを保つ働きや、生まれ持った体の強さも「腎」と関係があると考えられています。ホルモンバランスの乱れがある場合や、不妊症、月経血の減少、多のうほう性卵巣症候群、早発閉経、子宮や卵巣の発育が未熟などは、「腎」を中心に治療をすることが多いです。

 

 

 

診察予約はこちら

 

 

なんでも相談はこちら

 

 

保険のこと、漢方ってどうやって飲むの?苦い?どの先生に診てもらえばいい?などなんでもご質問ください。