中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
秋の温燥の時期に食べたい!9月の薬膳レシピ
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第二十三弾!
【9月の薬膳レシピは、温燥の時期に「肺と腎を補す」がテーマです】
朝晩が涼しくなり、湿気も減ってきて大分過ごしやすくなる時季になってきました。 しかし、日によって寒暖差が大きいため、気候の変化やご自身の体調の変化にしっか りと意識を向けておかないと、風邪をひきやすい時季でもあります。
9月は「温燥」の時期。「温燥」とは?
秋は移り変わりの季節。前半と後半とでは、気温の差がとても大きくなりますよね。 中医学でも、秋はほかの季節と違い短い期間で真夏から真冬に向かう期間であること から、秋の前半を「温燥」、後半を「涼燥」と呼び、区別しています。
「温燥」は、夏の暑熱がまだ残っている状態に、秋の乾燥が加わるという特徴があり、 「涼燥」は、秋の乾燥の上に冬の寒気が加わるという特徴があります。最近は、温暖 化の影響で「温燥」が少し長くなっているので、10 月の中頃までは「温燥」と考えて も良いでしょう。
この「温燥」の時期は、潤いを守るとともに、体にこもる熱をうまく外へ出すことが 大切になります。この時季を快適に過ごすための3つのポイントをご紹介します。
❶気温の変化に対応できるように準備します。
朝起きたら天気予報などで情報を確認して、寒暖差が激しそうなときは上着など羽織 れるものを準備しましょう。また、足首や首もと、腰回りなども冷えやすい場所のケ アも忘れずに。特に首は冷やさないよう、普段からストールを巻いておくのもいいで しょう。
❷乾燥からくる肺の不調をケアしましょう。
秋は肺の季節といわれ、この時季は肺を補うことが大事です。咳や痰、鼻づまりなど、 肺の不調症状が出やすい時季ですので、【 しっかりと深い呼吸を意識する】【外出か ら戻ったらうがいをする】【睡眠時はマスク着用をする】など、ケアを行うのがおす すめです。
❸「早寝早起き」を意識しましょう
古代中国で書かれた書物「黄帝内経(こうていだいけい)」では、秋の養生の一つと して「秋は鶏のように早く寝て、早く起きると良い」と書かれています。これは、秋 の養生の要は、朝に余裕をもって過ごすということを指しています。
起きたら窓を開けて空気を換気し、しっかりと深い呼吸を意識しながら、日光を浴び ましょう。その時に、その日の気温を感じ取るように心がけてください。時間がある 方は朝の散歩をするととても良いことですので、習慣にしましょう。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつも食材が「薬 膳」に!今回の薬膳レシピは、あっさりとヘルシーな食材を使った、寒暖差の激しい 秋にピッタリの一品です!
温燥の時期に食べたい!
「鶏ミンチの豆腐ハンバーグ・長芋と大根のあんかけ」
<材料>4人分
ハンバーグ
鶏肉ミンチ・・・ 200g
木綿豆腐・・・ 1/2 丁(200g)
玉ねぎ ・・・ 1 個 (200g)
卵 ・・・ 1 個
パン粉・・・ 50g
塩・・・適量
長芋大根おろしの餡
かつお節・・・ 5g
大根・・・ 200g
長芋・・・ 100g
オクラ・・・ 4 本
塩・・・ 適量
醤油・・・ 小さじ 1 強
水溶き片栗粉・・・ 片栗粉大さじ 1 を水大さじ 1 で溶きます
出汁・・・ 500m
<作り方>
【下ごしらえ】
①玉ねぎはみじん切りにして、お湯にさらしておきます。
②大根はおろして、長芋は角切り(小さめのさいころ状)にしましょう。
③オクラは、がくのかたいところを取り除いて縦半分に切っておきます。
【調理】
まずはハンバーグ!
④鶏肉ミンチに塩をひとつまみ入れて、しっかり練ります。
⑤その後、豆腐、卵、玉ねぎ、パン粉を入れて、もう一度しっかり練ってから塩を 適量加え、形を整えてフライパンで焼いていきます。
⑥両面焼き色がついたら、お水を少量入れて蓋をして 6 分位蒸し上げます。中心に 串をさして透き通った肉汁が出てきたらハンバーグの完成です。
続いてあんを作ります
⑦出汁汁を火にかけて、切った長芋とおくらを加えて、大根おろしも汁ごと加えま す。
⑧塩、醤油で味を調え、水溶き片栗粉でとろみを付けたら餡の完成です。
⑨ハンバーグや野菜を盛りつけた器に餡をかけて、最後にかつお節をふりかけて、 出来上がり。
(餡の応用編)
●長芋と大根おろしの餡は色々なものに応用が可能です。ごま油とオイスターソース を入れて中華風の天津餡として使っても美味しいですよ。
古川先生によるワンポイント薬膳食材講座
お豆腐は体に潤いを与えて、適度に体の熱を冷ます食材なので、この時期におすすめ です。鶏肉ミンチと豆腐の組み合わせのハンバーグは、食べごたえもある上にとても ヘルシー!また、長芋は秋から冬にかけて、積極的に取り入れたい食材の一つ。乾燥 した長芋は、山薬(サンヤク)として漢方薬にもよく使われます。気を高めて、肺、 腎を補い、老化防止にも良いとされています。大根おろしは肺の機能、胃腸の調子を 調えます。
ドクターからの一言
湿度が高い上海ですが、秋は大陸から冷たい空気に乗って「燥邪」が上海にも流れて きます。
これは、皮膚が乾燥する・鼻腔が乾燥し鼻血が出てしまう・唇が割れる・咽喉が乾き 痛むことの原因になります。
この「燥邪」から身体を守るためには、心を穏やかにして緊張しないことがポイント です。ストレスを感じると毛細血管が収縮し血流が悪くなり乾燥がさらに激しくなり ます。身体を潤す「水溶性の食物繊維」を積極的にとりましょう。また、血流を良く するために積極的に動くようにしましょう。運動はストレスも緩和され血の流れも良 くなり身体を滋養することになります。
それでも、身体の乾燥が気になる場合には、漢方で緊張を緩和し血流を改善、そして 潤いを与える生薬を配合することができます。治療する場合は、体質により身体が冷 えてゆく「寒燥」と、身体が熱化していく「熱燥」のタイプなど、それぞれタイプ別 に処方内容も変わります。
「乾燥」でお悩みの方は、症状がひどくなる前にご相談ください。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、乾燥でお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古 川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
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- 2023年09月26日
自宅で実践!理学療法!今月の治療は「肩こり」です!
肩こりで悩んでいる現代人はとっても多いのです。今回は肩こりに効くマッサージとツボを紹 介します!実践してみてください。
自分でできる肩コリ対策❶「経絡マッサージ」
中医学では筋肉のつながりを示す十二経筋というものがあり、腕から頭部へ筋肉が繋がってい ます。なので二の腕の筋肉をマッサージすることで肩こりが軽減されます。
★二の腕をマッサージしましょう。
(マッサージの仕方)肘から肩の方向へ三頭筋の硬いところをもみほぐしていきます。(1 回:20 秒間を1日 3〜4 回)
自分でできる肩コリ対策❷「つぼ押し」
肩こりのツボです。下記のツボのところを温かくなるまで、2〜3 分程度刺激をしてみましょ う。
★天井(テンセイ)
肘の外側の骨から親指の幅 1 本分上にある、くぼんだところ。
★養老(ヨウロウ)
手首の小指側で手首に突き出た丸い骨の、薬指よりの下のくぼんだところ。
★女性は三陰交
内くるぶしから指 4 本分上、スネの内側のくぼんだところ。
★男性は陽陵泉
膝の斜め下に外側に丸い骨が出ています、それが腓骨頭です。その腓骨頭の前のくぼんだところ。
自分でできる肩コリ対策❸「肩回し運動」
肘を折り曲げ指先で肩を触るようにして肩を回します。
内回りと外回り、狭い範囲からゆっくりと広く回していきます。肩回しのコツは肩甲骨の位置 にあります。❶胸を張る姿勢で肩関節を回す方法と、❷胸を縮めて(腕を前に出す)肩関節を 回す方法と2種類あるので、両方とも1回:20回しを1日2回はやってみましょう。
※息を止めずにリラックスして行ってください。回している時「ゴッキ」と音がする場合には、 ゆっくり優しく回すようにして下さい。
自分でできる肩コリ対策❹「ストレッチ」
1)左手で右手の肘を後ろに持ち、背筋を伸ばして、持った右手の肘を左側へ引っ張ります。 左右交互に(1回20秒:1日3回)繰り返しましょう。
2)左手を真っすぐ身体と 90 度の位置に伸ばし、伸ばした左手を右手の方向へ引きます。左 手の肘の部分を右手でささえて、そのままキープ。左右交互に(1回20秒:1日3回)繰り 返しましょう。
※背中は前に倒れないようにしましょう。
「肩こり」でもクリニックで治療はしてくれる?
肩こりを経験したことのない人はいないくらい、肩こりは一般的な症状です。 そもそも肩こりぐらいでクリニックに行っていいものかしら?と迷う人がいるかもしれません。 また肩こりを治すために、SPA や街にあるマッサージ店に行く方も多いかと思います。しかし、 このようなお店でマッサージをしても、すぐに元に戻り、また肩が凝ってしまったという経験 はありませんか?
肩こりの予防は、適度な運動と正しい姿勢です。しかし現在、多くの人が PC を使用して一日 中仕事をしている、子供を長時間抱っこしている、などの外的要因から肩こりになってしまう ことが多々あります。また肩こりを放置していると頭痛が常に起きたり、背中や首までも痛み が出てしまうこともあります。
このような頭痛を緊張型頭痛といい、この緊張型頭痛がひどくなると、頭痛とともに目の奥が 痛い、吐き気がする。ひどい時には嘔吐するなどの症状が出現します。また痛み緩和のために 鎮痛薬を服用しても、肩や首のこりを治さなければ、鎮痛薬の効果が切れた時にまた頭痛を感 じるようになります。
このような肩こりや頭痛の治療には、鎮痛薬より漢方治療の方が非常に効果的です。当院では、 患者さんの体質や痛みの度合いによって、適した漢方を処方し、適切な姿勢の保持や効果的な 肩こりの予防体操も指導し、根本的な治療を行っています。
当然、肩こりについても痛みを和らげる経絡に沿った鍼治療や、中医学的な知識に基づいた推 拿マッサージ(徒手療法)、理学療法士による運動療法など、個々人の肩こりの状態に合わせ 治療計画を立て、肩こりを根本的に治療することを目的にしています。
頑固な肩こりに悩んでいる患者さんは、“どうせ治らない”とあきらめず、ぜひご受診いただき たいと思います。根本的に治すことができます。また、寝違いや頚椎に原因がある痛みも治療 することができます。
まずは、ご相談ください。
今回ご紹介した「肩こりの治療」は当院の古川先生とマーラ先生が実施しています。 古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、マーラ先生の診察は虹梅路ク リニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、肩こりでお悩みの方は、一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、治療期間はどのくらいかかるの?漢方薬は苦いの?
など、なんでもご質問ください!
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- 2023年09月19日
まだまだ暑い夏の夏バテ対策!8月の薬膳レシピ
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第二十二弾!
8月の薬膳レシピは、 夏バテ対策の「気を補う薬膳」がテーマです。
もうすぐ 9 月ですが、今年も夏のピーク時は猛暑日が続き本当に暑かったですね!
みなさん夏の疲れがからだに来ていませんか?だるさやよく眠れない、むくみなどを感じ ている人は夏バテかもしれません。
まだまだこれからも上海は、気温や湿度も高く、残暑が続きます。残りの夏を元気に過ご すためにも、薬膳レシピでからだの中から調えましょう!
夏バテには気(エネルギー)と水分を補いましょう!
夏バテの症状とは、おもに身体がだるい、食欲がない、寝不足、無気力、イライラ、むく み、下痢や便秘など。これらは大量に汗をかくことによる水分不足やミネラル不足、食欲 不振からくる栄養不足などが原因のひとつとして考えられます。
中医学では汗をかくと水分だけでなく気(エネルギー)も消耗されると考えるので、夏バ テ対策には消耗してしまった水分とともに気を補う必要もあります。また、屋外の暑さと 屋内の冷房による寒さの寒暖差で自律神経や胃腸の乱れも生じてくるので、それらを調えることも大切です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつも食材が「薬膳」 に!今回の薬膳レシピは、パワーフードと言える食材をたっぷりと使った夏バテ対策の一 品です!
夏バテ対策に!「豚こまとキャベツの梅味噌マヨ炒め
<材料>4人分
・豚こま切れ肉……400g
・キャベツ……正味 300g
(A)・塩、こしょう……少々
・酒……小さじ 2
・片栗粉……大さじ 2
(B)・マヨネーズ……大さじ 2
・味噌、梅チューブ、砂糖、オイスターソース……各大さじ 1
・ごま油……適量
・青ネギの小口切り、白いりごま……お好みで
<作り方>
①キャベツはざく切りにし、豚こま切れ肉は(A)を揉み込んでから、片栗粉をまぶして おきます。
②(B)を混ぜておきます。
③フライパンにごま油を熱し、豚肉をほぐしながら炒めます
④豚肉に火が通って来たら、キャベツを加えて炒めます。
⑤全体に火が通ったら、火を止めてからBを加えさっと絡めます。
⑥出来上がり!
器に盛り、お好みで青ネギの小口切り、白いりごまのせます。
(ポイント)
●梅チューブは市販のしそ梅肉を使いました。梅干しを叩いてペースト状にしても大丈夫 です。
古川先生による薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、夏バテ解消に硬貨がある食材を教えてもらいまし た。
キャベツ
食欲増進や胃もたれなどの胃腸ケアに効果があるとされています。また、キャベツは不溶 性食物繊維が多く、身体の毒素を運んでくれる道具になります。今は、食物繊維不足が目 立つように思うので、腸内環境を調えるためにも積極的に摂取したい食材です。
豚肉
筋力を養い、皮膚に潤いをあたえる体力回復の食材。皮膚の乾燥、便秘、のどが渇く人な どに良い食材です。また、赤身の部位には、ビタミン B1 を多く含むので疲労回復食材と も言えます。ただ、食べ過ぎると身体に熱痰湿が溜まり、吹き出物が出やすくなるので、ニキビ体質の方は摂取量を調整しましょう。
梅干し
発酵パワーで疲労回復や食欲不振におすすめの食材です。中医学では「酸味」が体を整え てくれる作用があるといわれています。梅干しは心が穏やかになり、喉の渇きを潤し、血 流を良くすることで身体の痺れや筋肉の凝りを和らげる効果もあり、更に腸や胆嚢のお薬 として使われています。
味噌
消化吸収力を高め、抗酸化作用や解毒作用などさまざまな効能を持つ食材で、他にも身体 の余分な熱を取り、イライラを抑えると言われています。さらに消化吸収力を高め、抗酸 化作用や解毒作用などさまざまな効能を持つ健康必需品の食材と言えるでしょう。
ドクターからの一言
夏バテはこの時期にやってきます!早めに漢方と食事で改善しましょう!
夏バテは毎年お盆過ぎから、患者が多くなる傾向があります。冷えたドリンクを飲みすぎ て「胃がいたむ人」、夏休みも終わり気が抜けて「疲労感を感じる人」、空調で体が冷え てしまい「関節が痛む人」など、夏バテの症状は多岐にわたります。
これらの症状は胃腸の疲れが原因で起きること多いです。身体の健康状態を維持するため
には、まずは胃腸を回復させることが大切です。まず『発酵食品➕食物繊維』は不可欠で す。新鮮な野菜には食物繊維に加えて沢山の酵素が含まれています。夏野菜で身体を冷や さないように調理して、食物繊維を意識しながら食べましょう。
それでも身体のだるさが残り、朝起きられない状態が続くようだったら、漢方で胃腸の調 子や身体の調子を整えるのがお勧めです。身体のだるさは、早めに改善することが多いの で、お悩みの方はまずご相談ください。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、心身の不調でお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳 しい古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
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- 2023年08月29日
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