自宅で理学療法シリーズ第三弾!今月の治療は「冷え症」です!
「自宅で理学療法シリーズ」の第 3 回は、ぐっと冷え込んできたこの時期にぴったりのテー マ「冷え性」です。今回は冷え性に効くツボや、足湯などの冷え性対策を紹介します!実践し てみてください。
自分でできる冷え症対策❶「つぼ押し」
冷え性のツボです。下記のツボのところを温かくなるまで、2〜3 分程度刺激をしてみましょう。
★大椎(ダイツイ)
七番目の頚椎のすぐ下のくぼみにあります。
★陽池(ようち)
手の甲で、小指と薬指の間を下に下がっていったところにある、外側の窪みの部分です。
★足三里(アシサンリ)
七番目の頚椎のすぐ下のくぼみにあります。ひざ下の窪みから手の指4本分下で、そこから親指1本分脛側のところです。
自宅でできる冷え症対策❷「足湯」
漢方の足湯をすると、これらのツボ付近を温めることにもなり、じわじわと軽い汗をかくくら い、身体も温まってきます。
今日は「漢方の足湯」を症状別に紹介します。
◎手足が氷の様に冷えた時は・・・
★身体を温め、血流を良くし、筋肉を弛緩させる生薬を配合します。
【処方生薬例】当帰 桂枝 木瓜 生姜など
◎寒くなると血圧が上がる人は・・・
★下半身の血管の収縮を和らげ、血流を改善することで、心臓の負担を軽減する生薬を配 合します。
【処方生薬例】桑枝 桑の葉 茺慰子など
◎冷えると腰が痛くなる人は・・・
★漢方を服用しながら、身体の中、更に足裏から腰を温める生薬を配合します。
【処方生薬例】威霊仙 鎖陽 当帰 桂枝など
◎足が痒くなりやすい人は・・・
★皮膚のかゆみを抑える生薬を配合します。
【処方生薬例】苦参 蛇床子 蒼朮 地膚子など
◎手足の皮膚が乾燥しカサカサしている人は・・・
★手足の血流を良くし、潤いを与える生薬を配合します。
【処方生薬例】当帰 赤薬 玉竹 人参葉など
上記の漢方薬(生薬)をご希望の方は、下記までご連絡ください。症状をお聞きして、ドクタ ーが処方いたします。(予約申し込みの際は、症状の欄に「症状」と一緒に「足湯の漢方希 望」とご記入ください)
【足湯の入り方】
①足の「くるぶし」より上まで浸けることのできるバケツ又は、洗面器を用意します。
★タオバオでも足湯専用器も売っています。(検索ワードは「泡脚器」で検索してみてくださ い)
②40 度前後くらいの温度の湯を入れます。処方された漢方を入れてかき混ぜます(当院の処 方する漢方は顆粒状です)
塩をひとつまみ入れると温浴効果が増します。
③25〜30分間、くるぶしより上までの足をお湯に浸けます。
★足湯の間に、湯が冷めてきたら、あらかじめ沸かしておいた湯を少し注いで、温度を保 つようにしましょう。
④終わったら、浸かった足の部分に軽くシャワーを当てて洗ってください。
【ドクターから足湯の注意事項】
- 1) 火傷に注意しましょう。適正温度は 42〜45°C、足湯の時間は 30 分程度が最適です。
- 2) 食後の足湯は避けましょう。消化不良になる恐れがあります。
- 3) 生薬にアレルギーがある場合には足湯を控えましょう。
- 4) 足に水虫がある場合には、単独で入浴器を使いましょう。
- 5) 生薬の足湯は皮膚から薬物が吸収されます。吸収速度も遅く、病気の補助的な治療にな ります。
★重症の方は、症状が長引かないように必ず病院に行って診察を受けてください。
そのほか、クリニックで冷え症対策❸「お灸」
お灸の熱さと、漢方薬がツボの奥まで届くことによって、陽気が高められ、血行をよくさせる 効果が得られます。
中国の鍼灸は大変古い歴史があります。お灸に使用される「艾绒(もぐさ)」は、ヨモギの葉 の裏にある繊毛を精製したもので、中国ではお灸は「艾灸」(アイジュウ)とも呼ばれます。 当院でも使用している「艾条灸」も昔からある治療法です。
日本のお灸と違って、長さ約 20cm の艾卷の点火先を患部やツボから 2-3cm の所でくゆら せる方法で、同じ距離からじっとお灸をくゆらせるのではなく、患部やツボが熱さを感じるほ どお灸を近づけては離す動作を繰り返します。直接、肌に当てるお灸ではないため、効果があ りつつも、火傷等の危険性は少ない治療法としておすすめです。
このお灸は特に「冷え症」の治療に効果的です。また生理痛、風邪の予防、下痢、高血圧など に効果があるとされています。
「冷え症」でもクリニックで治療はしてくれる?
身体が冷えている原因は栄養不足、代謝低下、血流障害、ストレスホルモンによる毛細血管の 収縮などがあります。中医学的には「冷え」は陰陽のバランスが崩れてしまい、五臓六腑に栄 養が満たされないため、機能が正常に働かず、最終的に慢性的な病気を発症してしまう可能性 があると考えます。ですので、身体を養生するために「冷え」は対処すべき症状だと考え、中 医学では「冷え症」の治療を積極的に行っています。
当院の冷え症の治療方法は様々ですが、漢方治療で、余分な老廃物を排泄し、身体の陰陽のバ ランスを整え、栄養を補い、血流を改善する生薬を個人の体質に合わせて処方しています。
「冷え症」に悩んでいる患者さんは、“たかが冷え症”とあきらめず、ぜひご受診いただきたい と思います。根本的に治すことができます。
身体を温めると血流も良くなり、精神的にも穏やかになっていくので、お悩みの方はまず、ご 相談ください。
今回ご紹介した「腰痛の治療」は当院の古川先生と鄭先生が実施しています。 古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、鄭先生の診察は黄浦クリニッ クで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、冷え性でお悩みの方は、一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、治療期間はどのくらいかかるの?漢方薬は苦いの?
など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2023年11月21日
【終了しました】12月17日(日)「漢方&推拿セミナー」
「こちらのセミナー終了致しました」
古北上海マートの11階にて「健康のための漢方と推拿」をテーマにセミナーを開催!今回は「100種類以上の手技があると言われる、推拿」について学びます。
12名様限定までなので、お申込みはお早めに!
予約申し込み
① お申し込みフォーム
② 電話
138-17117-000(古川)
15000-62-1500(日本語)
- セミナー
- 2023年11月14日
腎を補い!身体を暖める!11 月の薬膳料理
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第二十四弾!
11月、今回の薬膳料理レシピは、これから本格的に寒くなる季節に「腎を補い身体を暖 める!」がテーマです。
11月は立冬。暦では冬に入ります。 これから寒くなると、寒邪が腎に及び腎陽が侵され、身体の熱源が弱まってしまいます。こう なると、腎陽によってコントロールされていた水分代謝も弱まり、冷えだけでなく頻尿や腰痛 など様々な体の滞りや不調が起きる原因にもなります。
したがって、腎陽を整えておくことが寒邪に負けず、これからの冬を乗り切るポイントの一つ といえます。
さて本日の薬膳レシピのご紹介!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬 膳」に!
さあ、「腎を補い身体を温める食材」を使って「冷え」対策をしましょう!
肝と腎を補い、身体を暖める!「薬膳料理」レシピ
「黒米ともち米の薬膳シュウマイ」
【材料】10個~12個分
・豚ひき肉……200g
・長ネギ……5 センチ みじん切り
・生姜……5g みじん切り
・椎茸……1 枚 みじん切り
・もち米……90g
・黒米……大さじ 1~2 ぐらい
・黒胡麻……大さじ 2
・陳皮……小さじ 1
・塩、胡椒……少々
・酒……小さじ 1
・オイスターソース……小さじ 1
・しょうゆ……小さじ 1
・片栗粉……大さじ 1/2
【下ごしらえ】
★もち米、黒米はそれぞれ洗って 2~3 時間浸水させ、水気をきっておきます。
①ボウルに豚ひき肉、長ネギ(みじん切り)、生姜(みじん切り)、椎茸(みじん切り)、 黒胡麻、陳皮(みじん切り)を入れて、調味料を全て加え、手でよく練り混ぜます。
②①で練り込んだ肉のタネを 12 個分にして団子状に丸めます。
③もち米、黒米を混ぜてバットにひろげて、②の肉団子を転がして全体にまぶします。
④沸騰して湯気のあがった蒸し器で強火 5 分、中火に落として 15 分ぐらい蒸してます。
⑤出来上がり!
※今回は彩りに枸杞の実と、苗菜(サラダ等に加える黄色い野菜)を飾り盛り付けました。 これらの食材はトッピングしなくても大丈夫です。
~「蒸し」のワンポイントアドバイス~
家に蒸し器がなければ、深めのフライパンか鍋に、底が平らなお皿を逆さに置いて、台座 を作り、その上に網を置きます。そこに 3cm 程の水を注いでから沸騰させ、蒸気がしっ かり上がったら食材を網の上に置き、蓋をしましょう。あとは食材に火が通るまで加熱す ればできあがりです。
蒸し時間が長いと水分がなくなってしまうこともあります。その場合は、水をつぎ足しな がら加熱しましょう。
★お鍋に入れて蒸し器になるグッズも、淘宝で購入できます
古川先生による「腎を補う」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体を温める食材を教えてもらいました。
陳皮
みかんの皮を干した生薬。七味唐辛子にも入っています。気の巡りをよくして、消化を助 けます。また余分な水分を取り除く効果があり、体を温めて熱を生むので、冷え症の方に もお勧めの食材です。ただし、 逆に熱がこもっているタイプの方は食するのは控えた方がいいでしょう。
黒米
中医学では黒い色素の食材は、腎を養い肝の血を養うとされています。貧血や眩暈、白髪の予 防などの効果があります。黒米にはマンガンや亜鉛などの含有量が白米より多く、酵素の活性 化や味覚の維持、皮膚や髪の毛など粘膜の健康維持に役立ちます。
生姜
胃腸を温め、身体が冷えたとき、生姜湯やスープなどで食すると、冷えの改善や風邪の予 防になります。さらに身体を温める作用があるため「ナツメ」と一緒に摂取すると、生理 痛の緩和が期待できる食材です。
長ネギ
中医学ではらっきょ(薤白)を生薬として使用します。長ネギは植物学上、らっきょと同じく ネギ属に分類されます。秋になり身体が冷えると胸の詰まるような感じの人に良い食材です。 また胃が冷えて痛む人、悩みが多く胸が締め付けられる人にもお勧めです。
上記の食材の一部は、今回紹介した「黒米ともち米の薬膳シュウマイ」にも入っているので、 是非、作ってみてくださいね!
暦の豆知識
霜月の由来は、霜の降りる月という意味ですが、11 月というと季節は秋なので、まだ冬のイ メージがないな、と思われるかもしれません。旧暦 11 月が霜月と呼ばれるようになった由 来には諸説ありますが、やはり霜の降り始める月だからという説が有力とされています。 また古来この時期に秋の収穫を神に感謝するお祭りが行われていたので、食物月(おしものつ き)と呼ばれていたことから、しもつきと転訛していったとも言われています。
ドクターからの一言
中医学では冷えを病気のサイン、対策すべきものとしてとらえ、冷えをそのままにしておくと 下記のような、さまざまな不調を引き起こすと考えます。冷え症の方は身に覚えがありませんか?
〔冷えによる主な症状〕
肩こり・腰痛
胃腸の不調
不眠
更年期障害
花粉症・アレルギー・かぜ・インフルエンザ
生活習慣病
肌トラブル
むくみ・太りやすい
生理痛・生理不順・・・など。
手足の先が冷たくなるのは冷え性の初期。腰やお腹に冷えを感じるようなら、かなり進行した 状態と言えます。初期段階で冷えに気づき、漢方薬で改善していくことが大切です。
また、末端を冷やさないためのポイントは、4つの首「首」「手首」「足首」「くびれ(お 腹)」を暖かくすること。冬にはマフラーを活用しましょう。腹巻きや腰に使い捨てカイロを 貼るのも有効です。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、冷え症や腰痛、肩こりでお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2023年11月13日
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