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腎を補い!身体を暖める!11 月の薬膳料理
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第二十四弾!
11月、今回の薬膳料理レシピは、これから本格的に寒くなる季節に「腎を補い身体を暖 める!」がテーマです。
11月は立冬。暦では冬に入ります。 これから寒くなると、寒邪が腎に及び腎陽が侵され、身体の熱源が弱まってしまいます。こう なると、腎陽によってコントロールされていた水分代謝も弱まり、冷えだけでなく頻尿や腰痛 など様々な体の滞りや不調が起きる原因にもなります。
したがって、腎陽を整えておくことが寒邪に負けず、これからの冬を乗り切るポイントの一つ といえます。
さて本日の薬膳レシピのご紹介!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬 膳」に!
さあ、「腎を補い身体を温める食材」を使って「冷え」対策をしましょう!
肝と腎を補い、身体を暖める!「薬膳料理」レシピ
「黒米ともち米の薬膳シュウマイ」
【材料】10個~12個分
・豚ひき肉……200g
・長ネギ……5 センチ みじん切り
・生姜……5g みじん切り
・椎茸……1 枚 みじん切り
・もち米……90g
・黒米……大さじ 1~2 ぐらい
・黒胡麻……大さじ 2
・陳皮……小さじ 1
・塩、胡椒……少々
・酒……小さじ 1
・オイスターソース……小さじ 1
・しょうゆ……小さじ 1
・片栗粉……大さじ 1/2
【下ごしらえ】
★もち米、黒米はそれぞれ洗って 2~3 時間浸水させ、水気をきっておきます。
①ボウルに豚ひき肉、長ネギ(みじん切り)、生姜(みじん切り)、椎茸(みじん切り)、 黒胡麻、陳皮(みじん切り)を入れて、調味料を全て加え、手でよく練り混ぜます。
②①で練り込んだ肉のタネを 12 個分にして団子状に丸めます。
③もち米、黒米を混ぜてバットにひろげて、②の肉団子を転がして全体にまぶします。
④沸騰して湯気のあがった蒸し器で強火 5 分、中火に落として 15 分ぐらい蒸してます。
⑤出来上がり!
※今回は彩りに枸杞の実と、苗菜(サラダ等に加える黄色い野菜)を飾り盛り付けました。 これらの食材はトッピングしなくても大丈夫です。
~「蒸し」のワンポイントアドバイス~
家に蒸し器がなければ、深めのフライパンか鍋に、底が平らなお皿を逆さに置いて、台座 を作り、その上に網を置きます。そこに 3cm 程の水を注いでから沸騰させ、蒸気がしっ かり上がったら食材を網の上に置き、蓋をしましょう。あとは食材に火が通るまで加熱す ればできあがりです。
蒸し時間が長いと水分がなくなってしまうこともあります。その場合は、水をつぎ足しな がら加熱しましょう。
★お鍋に入れて蒸し器になるグッズも、淘宝で購入できます
古川先生による「腎を補う」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体を温める食材を教えてもらいました。
陳皮
みかんの皮を干した生薬。七味唐辛子にも入っています。気の巡りをよくして、消化を助 けます。また余分な水分を取り除く効果があり、体を温めて熱を生むので、冷え症の方に もお勧めの食材です。ただし、 逆に熱がこもっているタイプの方は食するのは控えた方がいいでしょう。
黒米
中医学では黒い色素の食材は、腎を養い肝の血を養うとされています。貧血や眩暈、白髪の予 防などの効果があります。黒米にはマンガンや亜鉛などの含有量が白米より多く、酵素の活性 化や味覚の維持、皮膚や髪の毛など粘膜の健康維持に役立ちます。
生姜
胃腸を温め、身体が冷えたとき、生姜湯やスープなどで食すると、冷えの改善や風邪の予 防になります。さらに身体を温める作用があるため「ナツメ」と一緒に摂取すると、生理 痛の緩和が期待できる食材です。
長ネギ
中医学ではらっきょ(薤白)を生薬として使用します。長ネギは植物学上、らっきょと同じく ネギ属に分類されます。秋になり身体が冷えると胸の詰まるような感じの人に良い食材です。 また胃が冷えて痛む人、悩みが多く胸が締め付けられる人にもお勧めです。
上記の食材の一部は、今回紹介した「黒米ともち米の薬膳シュウマイ」にも入っているので、 是非、作ってみてくださいね!
暦の豆知識
霜月の由来は、霜の降りる月という意味ですが、11 月というと季節は秋なので、まだ冬のイ メージがないな、と思われるかもしれません。旧暦 11 月が霜月と呼ばれるようになった由 来には諸説ありますが、やはり霜の降り始める月だからという説が有力とされています。 また古来この時期に秋の収穫を神に感謝するお祭りが行われていたので、食物月(おしものつ き)と呼ばれていたことから、しもつきと転訛していったとも言われています。
ドクターからの一言
中医学では冷えを病気のサイン、対策すべきものとしてとらえ、冷えをそのままにしておくと 下記のような、さまざまな不調を引き起こすと考えます。冷え症の方は身に覚えがありませんか?
〔冷えによる主な症状〕
肩こり・腰痛
胃腸の不調
不眠
更年期障害
花粉症・アレルギー・かぜ・インフルエンザ
生活習慣病
肌トラブル
むくみ・太りやすい
生理痛・生理不順・・・など。
手足の先が冷たくなるのは冷え性の初期。腰やお腹に冷えを感じるようなら、かなり進行した 状態と言えます。初期段階で冷えに気づき、漢方薬で改善していくことが大切です。
また、末端を冷やさないためのポイントは、4つの首「首」「手首」「足首」「くびれ(お 腹)」を暖かくすること。冬にはマフラーを活用しましょう。腹巻きや腰に使い捨てカイロを 貼るのも有効です。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、冷え症や腰痛、肩こりでお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2023年11月13日