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「湿邪(しつじゃ)」を改善する!梅雨前の薬膳料理
中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ!
5月の今回の薬膳料理レシピは、梅雨前のこの季節の不調に多い「湿邪を改善する!」が テーマです。
「湿邪(しつじゃ)」とは?
5月は春から夏に変わる季節。暦の上では5月5日・6日頃から立夏になります。
この梅雨が近づく 5 月は、徐々に湿気が多くなってくる時季。からだの中も余計な水分 がたまり、だるさやむくみが出やすくなります。中医学では、この余分な水分を「湿(し つ)」といい、これがわたしたちに悪影響を及ぼすと「湿邪」となって、頭が締めつけら れるような痛みになったり、湿疹ができたり、足がむくんだり、下痢になったり、食欲が なくなったりすると考えられています。
こういった症状を改善させるには、カラダの内側にたまった湿(内湿:ないしつ)と、外 から入ってくる湿(外湿:がいしつ)をいかに取り除くかがポイントになってきます。
これからくる梅雨本番に備え、「脾」をいたわり、からだの巡りをよくし、「湿」をからだの外に追い出す習慣をつけましょう。
「湿邪」をデトックスする薬膳料理で「梅雨」対策
「薬膳」と聞くと、とてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、普段からの食材の特性を考えて組み合わせることも、立派な「薬膳」料理です。 旬の野菜は手に入りやすく、お値段もお手頃。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬膳」に!
さあ、梅雨の季節に備えて5月のお野菜を使って「湿邪(しつじゃ)」対策しましょう!
湿邪対策!偏頭痛やむくみを抑えるレシピ
「ひよこ豆と香菜のドライカレー(ヨクイニンライス)」
調理時間: 20分
材料 2~3 人前
(ドライカレー)
ひき肉……200g
ひよこ豆の水煮(缶)……100g
コーンの水煮(缶)……50g
セロリ……1 本
香菜(パクチー)……1 束
玉ネギ……1/2個
トマトの水煮(缶)……200g
ニンニク……2かけ
ショウガ……1かけ
カレー粉……大さじ2
コンソメの素……小さじ1
中濃ソース……大さじ1
塩コショウ……適宜
サラダ油……適量
★ひよこ豆の水煮やコーンの水煮、トマトの水煮は缶詰で上海でもスーパーで購入できま す。
(ヨクイニンライス)
お米……2合
ヨクイニン……カップ1/3
【下ごしらえ】
★前日の夜に、お米2合を研いで2合分のお水を足したら、カップ 1/3 のヨクイニンを入れて一晩寝かせます。翌日の朝に、炊飯器で普通炊きし、ヨクイニンライスを作っておきます。
【作り方】
1. ニンニク、ショウガ、玉ネギ、セロリ、香菜はみじん切りにします。また、水煮 のひよこ豆と水煮のコーンはさっと水で洗っておきましょう。
2. フライパンにサラダ油を入れ、ニンニク、ショウガを炒め、香りがでたら玉ネギ、 セロリ、ひき肉、カレー粉の順に入れてさらに炒めます。
3. 2にひよこ豆、コーン、トマトの水煮、コンソメの素、中濃ソースを加え 5~10分ほど煮込みます。
4. 最後に香菜を加えてひと煮立ちさせます。
※香菜の苦手な方は入れなくてもOK。
5. 塩コショウで味を調えて、炊きあがったヨクイニンライスの上に盛り付けたら出来上がり!
古川先生による「湿邪改善」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、湿邪を改善する食材を教えてもらいました。
ひよこ豆
カラダを温める平性の食材。消化機能を整えて元気を補い、胃腸の働きを高め、余分な水分を除く作用もあります。9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれている健康食材でもあります。
香菜
温性の食材で、身体に溜まった湿邪を汗をかかせ追いはらい、消化を促し食欲を増進させ る作用があります。お腹の張りにもよい「ゲンスイ」という生薬の素になっている食材で す。香菜にはビタミンCの量が普通の野菜よりも多く含まれているので、積極的に摂取してほしい食材でもあります。
ターメリック
寒性の食材で、辛く苦い味がします。湿気に影響を受けやすい胃腸や胆嚢の働きを促進させ、憂鬱な気持ちを緩和する作用があります。また血行改善効果もあり、緊張やアルコー ル摂取などで増加する酸化ストレス「活性酸素」を抑制する作用もあります。
クミン
温性で、お腹が冷えることで消化不良や腹痛になる人によい食材です。身体が冷えると湿邪も溜まりやすくなるので、温性であるクミンを摂取することも効果的です。また、月経痛や月経の不調にも調節効果があるとされています。
ヨクイニン
生薬では「ヨクイニン」と呼ばれています、漢方では薬になります。清熱解毒作用がある ので、ウィルス性のイボに効果があります。また、利尿作用もあるので体内に溜まった湿 邪を外に排泄させる作用にもなります。また、整腸作用があり慢性の下痢の人は積極的に 摂取したい食材です。
上記の食材は、今回紹介した「ひよこ豆と香菜のドライカレー」にすべて入っているので、6月の湿気の多い時期に備えて、是非、作ってみてくださいね!
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜20:00まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、梅雨時の体調不良でお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2021年05月17日