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「むくみ」を改善する!6月の薬膳料理
中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ!
6月の今回の薬膳料理レシピは、この季節に特に多い「むくみ」を改善する!がテーマです。
梅雨の時期はからだの中に余計な水分が!?
梅雨から初夏にかけて外気も湿気が多くなると、からだの中にも余計な水分がたまり、むくみ が出やすくなります。漢方の世界では、この余計な水分は「湿(しつ)」が原因とされ、関連 がある臓器は「脾(ひ)」=消化器全般といわれています。
そのため、6月まっただ中のこの季節は「脾」をいたわってからだの巡りをよくし、「湿」を からだの外に追い出す習慣をつけましょう。それには、「脾」の機能を高める「健脾(けん ぴ)」、「湿」を排出してくれる「利水(りすい)」の食べ物を取り入れることが大切です。
むくみを取る薬膳料理で梅雨から初夏を乗り切ろう!
「薬膳」と聞くと、とてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考 慮して、普段からの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬膳」に!
さあ、「利水の食材」を使って「むくみ」対策をしましょう!
①むくみを抑える「薬膳茶」レシピ
「あずき茶」
調理時間: 15分
材料 2~3 人前
乾燥あずき……50g
水……500cc
【作り方】
1. あずきは水洗いして、ざるにあげて水気を切っておきます。
2. 1.のあずきを鍋に入れ、弱火から中火で約 10 分くらい乾煎りします。
(目安はあずきの色が黒く変わるまで)
3. あずきの色が黒くなったら、水を 500cc 加えます。その後 5~6 分中火で煮出 したら出来上がり!
②むくみを抑える「薬膳スープ」レシピ
「冬瓜と山芋のスープ」
調理時間: 15分
材料 2人前
山芋……100g 冬瓜……100g
干しエビ……大さじ1
鶏がらスープの素……大さじ1
塩、コショウ……適量
水……400cc
【作り方】
1. 冬瓜、山芋は、それぞれ皮をむき千切りにします。
2. 鍋に冬瓜、干しエビ、水、鶏がらスープの素を入れて中火で煮込みます。
3. 冬瓜が透き通ってきたら山芋を加え、さっと煮込んで、仕上げに塩、コショウで 味を整えたら出来上がり!
古川先生による「むくみ改善」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、むくみを改善する食材を教えてもらいました。
「脾」をいたわる「健脾」の食材
山芋
「山芋」は、漢方処方でよく使用される六味黄丸の生薬のひとつです。喉の渇きを抑 え、多尿を緩和する作用があるため、血糖値が気になる人にお勧めの食材になります。また、 「腎と脾」を健康にする作用があるので、食が細く元気のない人は、積極的に摂取してほしい 食材です。
とうもろこし(とうもろこしのヒゲ)
トウモロコシの実は、黄色の食材なので、漢方薬膳的には、胃腸を養う「健脾」の効果がある と考えられています。また、トウモロコシの髭は利尿作用があり、腎臓結石や高血圧の予防に お勧めの食材です。また、胆嚢の働きを助け胆汁排泄を促すため、油濃い食べ物で胃の膨満感 がある人に良いでしょう。
「湿」を排出する「利水」の食材
あずき
あずきの大きな効果効能は、利尿作用なので「むくみ」の改善にはとてもよい食材で す。身体がむくみやすい夏に「水ようかん」を食べるのは、体内に溜まりやすい水の巡り をよくするので、よい夏の和菓子といえますね。またあずきは、ほかにも解毒作用やかゆ みを和らげる効果があるので、湿気が多い季節に皮膚の赤みやかゆみが出る人にも、積極 的に食してもらいたい食材です。
冬瓜
冬瓜は 95%が水分で利尿作用があるので、むくみの解消や高血圧に効果的な食材です。また、涼性から寒性の食品とされているので、身体の熱をとり冷やす作用があります。む くみ以外にも、夏バテ防止、疲労回復や、あせも予防の効能が期待され、カリウムも多く 含むので、夜足がつりやすい人にも効果的な食材と言えるでしょう。
上記の食材の一部は、今回紹介した「あずき茶」と「冬瓜と山芋のスープ」にも入ってい るので、是非、作ってみてくださいね!
ドクターからの一言
「健脾」の食材は、ふだんから意識して取り入れると、むくみやだるさの予防になり ます。むくみが出てしまったときには、「利水」の食材を積極的にとるのがおすすめ。またこ の時期は「脾」を傷つけ「湿」を増やしてしまうので、「冷たいもの、生もの」は控えるとよ いでしょう。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜20:00まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、梅雨時のむくみや体調不良でお悩みの方は、西洋治療や 薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2021年06月15日