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たかが《冷え》だと思っていませんか? 今のうちに漢方で「足冷え」を改善!

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「男性の足冷え」は「心陽不足」が原因?

 

女性に「更年期」があるように、男性にも 30 歳後半から「心陽不足」で「動 悸・胸が苦しい・汗が出る・疲れやすい・精神力の低下」などの症状が出ること があります。これは、男女ともにホルモン分泌の低下や、自律神経の乱れが原因 で起こると考えられ、またこのような症状の初期の段階では、末端の血流循環不 全により「足冷えや浮腫み」などの症状が出てくることが多いようです。

 

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漢方の「足冷え」治療

 

漢方では「足冷え」の症状や体質を診て、タイプ別に治療していきます!

 

①心陽不足タイプ

 

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「心」の働きが弱まっていることが原因で、手足の血流 が悪い状態。足が冷えやすく浮腫みが出ることもあります。また、疲れやすく汗が出やすくなり、睡眠の質も低 下し動悸が現れることも。

 

【漢方治療】

身体の「陽気」を補う生薬で、「心」の機能回復をはかります。

 

 

②心脾両虚タイプ

 

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胃腸が弱く栄養が吸収されないことが原因で、血が足りなくなるタイプ。手足の末端まで血液が流れないた め「足冷え」になります。また、同時に不眠になる事 も。

 

【漢方治療】
身体に血を補い睡眠の質を改善し、心臓に栄養を与える生薬で、機能回復をはかります。

 

③肝鬱血虚タイプ

 

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慢性的な緊張が原因で、毛細血管が収縮しやすく血流障 害を起こしているタイプ。冷えて脚がつることもありま す。このタイプは真面目な性格の人に多く、緊張や不安な感情があると甘い物を欲する傾向にあります。

 

【漢方治療】
身体の緊張を緩和する生薬と血流改善の生薬を中心に処方し、運動や鍼治療などを組み合わせ治療していきます。

 

 

④腎陽虚タイプ

 

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身体全体の水の代謝機能が低下することが原因で、冷えを引き起こしてしまうタイプ。下半身の浮腫みもあ り、排尿も以前よりはスムーズではなく、「前立腺が 肥大ぎみ」と診断を受けている人もいます。

 

【漢方治療】
「腎陽」を補う生薬を処方し、下半身の血流を促進させ症状を緩和させます。

 

 

 

ー実際の治療例ー

 

古川先生による実際の治療例を紹介します。

 

【対象者】

 

TSさん  55歳  男性

 

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【症状】

上海に来てから特に下半身が冷えるようになる。冬場も身体が冷えやすく、寒さに弱い体質になってきた。飲酒後は、顔にむくみも感じるようになり、2年前か ら蕁麻疹が頻繁に発症するようになった。蕁麻疹は、アレルギー等の検査をしたが原因がみつからず、対症治療の抗アレルギー剤を服用し症状をコントロールしている状態。

 

 

【初診の時の状態】

患者さんは、夏場でも下半身が冷えやすくなってきている状態で、最近は毎日、 蕁麻疹が現れ、抗アレルギー剤を服用すると緩和する状態が続いていた。薬のせいか日中の眠気が強く、精神的に憂鬱な時もあり、原因不明の蕁麻疹と足の冷えなど、身体全体のバランスを改善したくて当院に受診されました。

 

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【中医学的診察】

 

①問診

 

問診をしてみると、上半身は冷えないが下半身に冷えを感じやすく、会社の空調も強くコントロールが難しいとのこと。また、身体がだるくなりやすく、発疹の 発症箇所は、いろいろと変わる移動性発疹であることがわかった。温度による影響はないので、寒冷蕁麻疹ではないようです。飲酒とお肉を食べる習慣が多く、 野菜の摂取量は比較的少ないとのこと。50 代になって、入眠はいいのだが遅い時間に寝たとしても、5時前には目が覚めてしまい、その後再度寝ることは出来ないそうです。

 

舌診

 

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舌淡白、やや浮腫み 淡く黄色い濁った苔がある

 

③脈診

右は滑るような脈、左は細く弱い脈

 

 

【医師の診察】

お酒とお肉の摂取量が多いため胃腸の働きが疲弊し「湿熱毒」が身体に多く溜まっている状態。また、逆に血の生成も減り、心臓と肝臓を養えない状態のようです。

 

50代から慢性的に睡眠の質の低下が持続していたと考えられ、更に「心の陽気」が減ったことが原因で、手足を暖められなくなったと考えられます。移動性の発疹は、東洋医学では「風邪(かんじゃ)」に関係していると判断。「風邪」には「外風」と「内風」があり、患者の蕁麻疹の原因は「血虚生風」であり、身体の中から吹く風「内風」のためと判断しました。

 

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【漢方治療】

初めに老廃物である「湿熱毒」を排泄し、胃腸の働きを調節し、血の生成を正常にしていきます。六安煎に去風解毒の生薬を加味して処方。次に心臓と肝臓に血を補い、機能の回復をはかります。また、最後に蕁麻疹の原因である「血虚生 風」も、血を補うことで解決される事もあると説明しました。

 

 

【途中経過】

1か月後

スッキリと排便出来るようになり、お腹の重だるさが改善され苔も薄くなってきた。生薬を飲むと、下半身が暖まる感じがするとのこと。

 

 2か月後

蕁麻疹が減り、抗アレルギー剤の服用回数も減ってきた。日中の眠気が改善され、 仕事のパフォーマンスが向上、憂鬱な感情も減りだした。飲酒の機会が増えたため、舌の苔がまた汚れてきた。

 

3か月後

胃腸の働きも改善がみられ血の生成も正常になり始めているため、心臓と肝臓に血を補い、機能の回復をはかる「養心湯」の処方を始める。

 

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4か月後

下半身の冷えや浮腫みにも改善が見られる。しかしお腹の張りが出てくるようになる。養心湯の中には薬用人参があり、胃腸の働きが弱いとお腹が張りやすくなるため、薬用人参の量を減らして調整。

 

6か月後

身体の冷える季節になってきたが、漢方を服用してから身体が温まり寒さを感じにくくなってきた。飲酒量が増えるとまれに蕁麻疹がでるが、その時は抗アレルギー剤を服用し対応しているが、飲酒がない時は蕁麻疹も出ないので、以前のように毎日服用することは無くなった。これから寒い季節になるため、養心湯に暖かい生薬を加味し、2ヶ月分の漢方を処方し治療終了となりました。

 

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【医師からの一言】

 

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