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イライラを抑えリラックスする!5 月の薬膳レシピ
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第二十弾!
5月、今回の薬膳料理レシピは、季節の変わり目に敏感な「肝(かん)を労わるがテーマで す。
木々が芽吹き、風が薫り、すべてが眩しい春。
その一方で、春は季節の変わり目でもあり、心身の不調を感じる人も少なくありません。例え ば目の疲れ、イライラ感、悶々とした気分、不眠、のぼせやすい、いつもよりストレスを感じ やすい…。どうでしょう?心当たりはありませんか?
実はこれらすべては春特有の心と身体の変化。漢方医学では、各季節にはそれぞれそ特有の感 情があると考えますが、春は「怒」の季節でもあります。では、いったい何が「怒」に影響を 与えているのでしょう? その答えは、季節の変わり目に敏感な肝(かん)。
体が気温の変化を感じると、冬に溜まった老廃物などを解毒し、栄養を体に必要な形にして全 身に届けるために、肝臓に負担がかかります。肝が疲れてくると、イライラしたりいつもより ストレスを感じやすくなってきます。
そこで今回は、5 月に弱りがちな「肝」を労わる薬膳レシピをご紹介します。
肝を労わる薬膳料理で、心身ともにリラックスしましょう!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮し て、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬膳」に!
さあ、「肝を労わる食材」を使って「ストレス」対策をしましょう!
肝を労わる!「薬膳鍋」レシピ
「緑野菜の鶏肉鍋」
肝を労わる緑野菜(セロリやほうれん草)、と肝臓を元気にする鶏肉&和風薬膳鍋です。香味 野菜の大葉でさっぱりといただいましょう。
【材料】 2人前
* 鶏胸肉…1 枚(150g)
* 料理酒…大さじ 2
* 木綿豆腐…1 パック(170g) * 油揚げ…1 枚(50g)
* セロリ…1/2 本(60g)
* ほうれん草…1束
* 水…350mL
* 鶏がらスープの素…小さじ 2
[タレ]
* 乾燥桜海老(粗みじん切り)…5g
* ポン酢(市販)….適量
* 大葉(みじん切り)…12 枚
今回は緑野菜に合わせて「緑豆豆腐」を使いました。この豆腐は City Super などのスー パーマーケットで購入できます。
【作り方】
1.鶏胸肉に料理酒を振りかけて食べやすい大きさに切ります。木綿豆腐と油揚げも食べ やすい大きさに。
2.セロリの茎は斜め薄切りにします。ほうれん草は長さ 5cm に切っておきます。
3.ボウルにタレの材料を入れてよく混ぜ合わせます。
4.鍋に水、鶏がらスープの素を入れて混ぜ合わせたら、鶏胸肉と木綿豆腐、油揚げ、セ ロリの茎を入れて、中火で沸騰させます。
5.鶏肉の色がしっかり変わったら、ほうれん草を加えて中火で煮ます。
6.野菜の色が鮮やかになったら火を止めて、出来上がり!
古川先生による「養肝」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体をリラックスさせ、免疫力をUPさせる食 材を教えてもらいました。
ニラセロリ(芹菜)
セロリは清涼感があり、香りが豊かで微妙な苦さも感じられます。またストレスを緩和し、 血の流れを改善、身体の炎症を治める働きがあり、お酒の飲みすぎで身体が火照る人や、 血圧が高めの人に積極的に食べてもらいたい野菜です。
鶏肉
鶏肉はお腹を温めて気を補うので、食欲がない時や慢性的な下痢の改善に役立ちます。虚 弱体質の体質改善や産後の体力回復にもよいでしょう。また、鶏肉に含まれるタンパク質は、他のお肉と比べてもアミノ酸のバランスがよく、ビタミンも豊富なので、肌荒れやニ キビなどの予防にも効果的です。
豆腐
薬膳で豆腐は身体を潤し、余分な熱を冷ます効果があります。
乾燥によりほてり・熱がりがある時や、熱がこもっているために起こる目の腫れや充血に 効果的な食材です。また体を潤すので、空咳、口の乾き、口臭予防にもおすすめ。
ほうれん草
胃腸を温める作用にすぐれ、胃腸の働きを活性化させ食欲促進になる食材です。辛味があり、 それによって胃腸に溜まっている老廃物の排泄も助けるので、お腹の張る人にはおすすめの食 材。ただし腸に炎症がある人には痛みが出やすいので、食する量には注意し、必ず加熱したにんにくを摂取するようにしてください。
大葉
大葉の旬は6月~9月。大葉の香り成分には高い殺菌力や防腐作用があり、刺身の付け合 わせなどに使われています。薬膳的にも魚介の解毒に使われています。また、紫蘇の葉に 含まれるカルシウムの働きから、生理中の女性に特有の不安感をやわらげる効果があると 言われ、紫蘇の香りにはリラックスと精神安定の効果もあります。
<紫蘇の名前の由来>
「紫蘇」という名は、昔、少年が海鮮物を食べてアレルギーを起こし顔が紫色になり生死を さまよっていた時に、この葉を与えると蘇生した、という逸話に由来していると言われて います。
上記の食材は、今回紹介した「緑野菜の鶏肉鍋」にも入っているので、是非、作ってみてくだ さいね!
ドクターからの一言
昔から肝臓の働きを高める食材は五味五色の中の「酸」と「緑」のものと考えられてきました。
春から初夏は、毎日、緑の野菜や緑茶を摂取して、肝臓の解毒能力を高めましょう。また、肝 機能を高め保護するために、多少「辛い」ものや「甘い」ものも食べるようにしましょう。
おすすめの「辛い」の食品は、ねぎやにんにく、にんにくの芽、にら、大根などです。またナ ツメ、慈姑(くわい)、竜眼(りゅうがん)、百合根のような「甘味のある食材」を加えると、さ らに肝臓に元気な「気」を与えることができます。さらに、良質なたんぱく質も肝臓ケアに欠かせません。動物性のものなら乳製品や肉、魚、卵など。植物性のものなら大豆やキヌア、ナ ッツなどがお勧めです。
また、柑橘類や苺、梅など「酸味」のある食材も肝臓に効果的です。
5 月の養生法のポイントは、冬の間にためこんだ不要なものを体の外へ排出することです。 そのために山菜などの「苦味」のある食材もいただきましょう。「苦味」のあるものには便通 をよくする作用もあります。また、山菜は食物繊維が豊富で、腸をきれいにしてくれる作用も あるのでお勧めです。
健康は一日にして成らず。私たちのカラダは口に入れるものから作られます。季節の変化 を感じ、身体の声に耳をすませて、食生活に気を配ることが、快適な生活を送れる身体づ くりへの第一歩です!
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2023年05月09日