中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
梅雨の湿気を内側から取る!6月の薬膳料理レシピ
「中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第二十一弾!
6月、今回の薬膳料理レシピは、「脾を養う」がテーマです。
梅雨の季節が訪れると、洗濯物はなかなか乾かず、気分も塞ぎこみやすくなる日々が続きます よね。だるい、眠い、むくみや頭痛がひどくなる、ストレスを感じるなどの不調に悩むことは ありませんか?これらは梅雨の気候がカラダに影響をおよぼしているからかもしれません。
梅雨は自然の湿が高くなり、人のカラダのなかにも余分な湿が多くなります。 梅雨になるとお部屋の湿をとるために、除湿機や除湿剤を活用しますね。梅雨の薬膳でも同じ です。
カラダの湿を外に排出する食べ物をとることで、カラダのなかにある余分な水分をカラダの外 に出します。そうすることで、カラダに不要な水分をとり、バランスのとれたカラダにして、 体調を整えていきます
梅雨時期は、五臓のなかで消化を担う「脾」の働きが活発になります。脾は湿気を嫌い、脾の 働きがわるくなるとカラダの水分代謝の力が低くなります。そのため、梅雨時期には【脾】を 養う食材を積極的にとりましょう。
「脾」を補う薬膳料理で、カラダに溜まった湿気を取りましょう!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮し て、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬膳」に!
さあ、「脾を補う食材」を使って「湿気」対策をしましょう!
脾を補う!「薬膳料理」レシピ
「夏野菜とハトムギのサラダ」
夏野菜でカラダの熱を冷まし、カラダの中の湿気を取る利尿作用と美肌効果の高いハトム ギを使ったサラダです。
調理時間:20 分
<前日の夜>乾燥ハトムギを水に浸して一晩置くと、柔らかく煮ることができます
【材料】4人前
・ハトムギ(茹で上がったもの)・・・ 1 カップ
・キュウリ・・・ 1 本
・ミニトマト・・・ 8 個
・黄パプリカ・・・ 1/2 個
・スモークチーズ・・・ 80g※チーズであればなんでも OK です
・お好きなナッツ 2 種・・・ 1/2 カップ
・クコの実(乾燥)・・・適量
(調味:ドレッシング)
★白ワインビネガー(もしくは酢)・・・大さじ 2
★オリーブオイル・・・大さじ 1
★塩・胡椒・・・適量
<作り方>
①ハトムギはよく洗って 30 分ほど茹でます。
↑30 分煮た写真
②キュウリ、ミニトマト、黄パプリカ、スモークチーズは全て 1cm 角位にカットしてお きます。
③パプリカはラップで包んで電子レンジで 1 分過熱しておきます。
④ナッツの大きなサイズのものは、包丁で砕いておきます。
⑤調味料を全て混ぜ合わせてドレッシングを作ります。
⑥茹でたハトムギと2の材料とナッツを、ドレッシングと共にすべて混ぜ合わせます。 (この時、味見をしてみて塩気が足りないようだったら、塩胡椒を足しましょう)
⑦器に盛り付け、上にクコの実を散らして出来上がり!
※冷蔵庫に入れて、少し置いたほうが、味がなじみます。 ※お子様には、このドレッシングは少々、酸味が強いので、お子様用には少量の蜂蜜を加 えてもいいでしょう。
ハトムギを茹でた後の茹で汁(薏苡仁水)は、捨てずにサラダと一緒に飲みましょう。
古川先生による「養脾」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、脾を補い、身体の湿気や水分を取る食材を教えて もらいました。
ハトムギ(薏苡仁)
ハトムギは前述したように、利尿作用があるため、余分な身体の湿を取り「脾」を補う食 材です。また、にきびや子供の水いぼの治療にも使われるように、毎日食していると、美 肌にも良い効果があります。ただ、身体を冷やす働きがあるので、冷え性の方や妊婦さん は食する量に注意が必要です。
トマト(番茄)
今がまさに旬の食材トマト。熱を冷まし暑気あたりを緩和し、身体に潤いを与え、喉の渇きを 抑える作用があります。また胃腸を健康にし、胃腸の炎症を抑える効果もあります。ただし、 クーラーや冷たいものを食べすぎて、胃腸が冷えている時は、食するのを控えた方がよいでし ょう。
きゅうり(黄瓜)
きゅうりには、解熱・解毒効果や、炎症を抑える、浮腫みの改善に効果があるとされています。 また、利尿作用もあるため、湿度が高くむくみやすい季節には、体内の水分を調整してくれる 効果もあります。きゅうりの成分のほとんどが水分なので、汗をかき喉が渇く夏場にピッタリ な食材とも言えるでしょう。
上記の食材は、今回紹介した「夏野菜とハトムギのサラダ」にも入っているので、是非、作っ てみてくださいね!
ドクターからの一言
梅雨のカラダにとって、とりたい食材があるのと同時に、この時期控えたいこと・気を付けた いポイントがあります。
1つは「甘いもの・脂っぽいものを控える」ということ。そしてもう1つは「冷たいもの・生 ものを控える」ということです。
これらは、「脾」に負担をかけないためにとても重要なポイントです。また疲れやすいときや、 食欲がないときなどもこのポイントには気をつけましょう。
他に、中医学では「脾」は思い悩んだり、憂いを感じることは、「脾」の働きに影響を及ぼすとされています。まさに心とカラダはつながっているのです。そのため、梅雨時期は特に気を 付けて、次のように過ごすことをおすすめします。
雨が降り続く季節は憂鬱になり勝ちですが、自然の農作物や草木にとっては恵みの水によって、 豊かに育つ大切な季節です。いつ梅雨が明けるのかと待ちわびるより、梅雨ならではの楽しみ方をみつけたり、お気に入りの傘やレインブーツとともに、ゆったりとした心持ちで梅雨の風 物詩でもある紫陽花など、この季節ならではの自然を楽しんでみましょう。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、梅雨時期の心身の不調でお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2023年06月13日