中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
夏に悪化する「痛風」によく効く漢方&痛みには鍼治療
夏にご用心…「痛風」増えるシーズン到来!
夏に気をつけなくてはいけないのは熱中症だけではありません。「風が吹いても痛 い」といわれる「痛風」は、実は夏に増える傾向があります。そして、男性だけでは なく女性も注意が必要です。
“靴も履けないほど”痛む痛風とは…
気にしていますか? 尿酸値
ある日突然、足の親指のつけ根などが赤く腫れて痛くなる痛風。ズキズキと耐えがた い痛みで、“靴も履けないほど”痛む人もいるほど。痛みの出る場所で一番多いのが足 の親指のつけ根で、膝から下の関節に起こりやすく、手や肘に痛みが現れる場合もあ るそうです。
痛風は、血液中の尿酸値が高い人に起きますが、その尿酸の大本は「プリン体」です。 体内に食品として摂取されたプリン体は、肝臓で分解され尿酸になり、尿や便と一緒 に体外に排出されます。
ところが、作られる尿酸が多かったり、排出される量が少なかったりすると、血液中 の尿酸が増えてしまいます。尿酸の正常値は、1 デシリットルつまり 100 ミリリット ルあたり 7 ミリグラムですが、これを超えると痛風が起こりやすくなるといわれています。
夏に多い痛風 “暑い”となぜ痛風になるの? 原因は…
夏は尿酸値が上がり、痛風を発症する人が多いといわれています。
その理由の 1 つが「お酒の飲み過ぎ」です。暑いと、いつもより多く飲んでしまう人 もいるかもしれません。ビールなどに含まれるプリン体や、アルコール自体にも尿酸 値を上げる働きがあるので、お酒の飲み過ぎには注意が必要です。
また、お酒好きでなくても、夏に痛風が増える理由がもう 1 つあります。夏場は誰で も汗をかくのですが、それで起きる「脱水」状態で、血液の濃度が濃くなり尿酸値も 上がりやすくなってしまいます。
❶漢方で「痛風」を治療する方法
痛風発作が起きている急性期と尿酸値が高いが痛みが伴わない慢性期に分けて処方し ます。
急性期
急性期は「腫れ、皮膚の赤み及び熱感、激しい痛み」が痛風発作の特徴です。
★「腫れ、皮膚の赤み熱感」の原因は「湿熱」なので
➡炎症を抑える清熱、消炎作用のある利湿の生薬を処方します。
★「激しい痛み」の原因になる「痰瘀」なので
➡痰を取り除き気の流れを改善、瘀血を散らし血の流れを良くする生薬を処方します。 また、同時に痛み止め効果のある生薬も使います。
慢性期
慢性期の患者は「舌の苔が厚く汚れている」人が殆どです。これは胃腸及び肝臓腎臓 の働きが悪く「消化吸収&解毒排泄」の機能が上手く働いていないサイン。なので胃 腸の働きを整える生薬や、腎肝臓の機能を改善する生薬を処方します。
❷鍼治療で「痛みを緩和」する方法
痛風の患者の痛みは、「風寒湿熱」が経絡に溜まり、気と血の流れを阻害してしまう 為に起こると考えます。こういう時は、鍼治療で滞りがある経絡の気と血を通す治療 を行います。この治療は、痛風だけでなく、脳血管障害、代謝障害の予防が期待でき ます。
尿酸値を上げる“意外な落とし穴”
痛風には“意外な落とし穴”があります。 その一つは、“運動せず”にスポーツドリンクを飲むこと。スポーツドリンクに含まれ る「果糖」は、体内で代謝される際に尿酸が作られます。甘い缶コーヒーもよくあり ません。
また、筋トレのような激しい無酸素運動も、尿酸値を上げるので要注意です。激しい 運動など大量のエネルギーが使われる時に、エネルギーの燃えかすとして尿酸の大本 であるプリン体が増えてしまうといわれています。そのため、痛風の方や、尿酸値が 高めな人は、ラジオ体操やウオーキングなど筋肉への負荷が軽い運動がおすすめです。
お酒も焼酎や、プリン体ゼロの発泡酒などであっても、アルコール自体に尿酸値を上 げる働きがあるので、お酒の飲み過ぎはよくありません。休肝日を作るように計画を 立てましょう。
医師からの一言
お酒を飲んだ翌朝に、いつも下痢になる人は注意が必要です。
痛風の患者は、特に飲酒後に下痢になる人が発作を起こしやすい傾向にあるようです。
飲酒後の下痢は、胃腸に炎症や腸内環境の悪化を伴い、慢性的に有害なものを吸収し てしまいます。更に解毒や排泄機能も低下してしまう可能性があるので、飲酒後に下 痢をしてしまう人はそのままにせずに、当院にご相談に来てほしいです。 当院では、痛風の漢方治療や鍼治療と同時に、下痢をしない飲酒量の調節方法や、解 毒や排泄を促進する食物繊維の量を増やす食事指導も同時に行っています。
なかなか改善されない、または再発を繰り返してしまうような痛風症状にお困りの方は是 非一度、当院へご相談ください。痛風症状改善のために一緒に頑張りましょう。
★保険についてのご質問や、治療期間はどのくらいかかるの?漢方薬は苦いの?
など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2023年08月09日