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カラダの余分な水分を取り除く!6月の薬膳料理
「中国四千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ!
6月、今回の薬膳料理レシピは、「カラダの余分な水分を取り除く」がテーマです。
梅雨は雨が多く降ることによって、湿度がとても高くなります。屋外も家のなかも湿度が高く なり、家では除湿グッズが欠かせなくなります。5 月の初夏の心地よい気候から、じとじと と蒸し暑い日が続いたり、日によっては前線の影響で少し肌寒い夜もあるので、着る洋服も調 節が必要になります。
雨が長く降り、湿気が強くなる梅雨は、体調不良をうったえる方が多くなる季節でもあります。 中医学では、季節の移り変わりは、カラダと心にも影響をおよぼすと考えられています。梅雨 には次のような不調がよくみられます。
カラダの不調
* 朝起きたらカラダがだるいと感じる
* なんとなく具合が悪いと感じる日が続く
* むくみを感じる
* 偏頭痛がひどくなる
* 鼻水がねっとりした感じになり、鼻炎がひどくなる * 下痢になりやすい
* 食欲があまりない
メンタルの不調
* 朝起きると憂鬱な気分な日が多くなる
* やる気がでない、ストレスが溜まってくる
梅雨に入ってからカラダや心にこのような変化がある場合、梅雨時期の自然の変化がカラダや 心の健康に影響を与えていることが考えられます。
体調が悪い場合は、自己判断せずにこのような症状があれば、診察に行くようにしましょう。
「心」を労わる薬膳料理で、カラダに溜まった湿気や熱を取りましょう!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮し て、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬 膳」に!
さあ、「水分を取り除く食材」を使って「湿気暑さ」対策をしましょう!
カラダの余分な水分を取り除く「薬膳料理」レシピ
「薏苡仁入りカポナータ」
【材料】4人前
・トマト缶・・・ 1 缶
・はと麦(薏苡仁)・・・ 1 カップ
・なす・・・ 2 本
・ズッキーニ・・・ 1 本
・セロリ・・・ 1 本
・黄パプリカ・・・ 1 個
・玉ねぎ・・・ 1 個
・オリーブ油・・・大さじ 1
・ニンニク・・・1片
・コンソメスープの素・・・ 2 片
・水・・・ 1 カップ
【作り方】
(下ごしらえ)
★作る前日の夜に、はと麦(薏苡仁)を水に浸しておきます。
❶なす、ズッキーニは輪切り(または半月切り)、セロリは 1cm 幅に切り、パプリカ は乱切り、玉ねぎは角切りにします。
❷はと麦は水ごと火にかけ、表面が柔らかくなるくらい茹でます。
❸フライパンにオリーブ油とスライスしたニンニクを熱し、なす、ズッキーニ、セロリ、 玉ねぎ、パプリカの順に加え炒めます。
❹トマト缶と水 1 カップを入れ、茹でたはと麦を入れ、コンソメスープの素を入れて 煮込みます。
❺材料が柔らかくなったら出来上がり!
バジル(分量外)飾ると色合いがいいですよ
古川先生による「養心」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体をリラックスさせ、ほてりや熱を取る食材を 教えてもらいました。
ズッキーニ
中医学では、ズッキーニは利水・利尿作用があり、体の余分な水分を取り、熱っぽ さを抑えます。 水分の調整をするので、のどの渇きを抑え、肺の働きを助ける効 能があるとされています。 肌もみずみずしく整え、美肌効果もあります!
トマト
甘酸っぱい人気の食材トマト。熱を冷まし暑気あたりを緩和し、身体に潤いを与え、喉の渇きを抑える作用があります。また胃腸を健康にし、胃腸の炎症を抑える効果もあるので、胃の痛みを繰り返す人は「トマトの煮込み料理」がおすすめです。
ハト麦(薏苡仁)
中医学ではイボとりの薬として知られるハト麦は、子供の「水イボ」の治療薬としてもよく処 方される漢方薬で、吹き出物やシミなどの肌トラブルがある人にもおすすめです。利尿作用が 期待され腎臓の働きに働きかけてくれる食材なので、むくみ解消やデトックス効果に繋がることも期待されます。
上記の食材は、今回紹介した「薏苡仁入りカポナータ」にも入っているので、是非、作って みてくださいね!
ドクターからの一言
梅雨の時期は
* カラダに余分な水分を溜めない
* 五臓の【脾】を養う
ことが大切です。余分な水分をカラダのなかに溜めこまないことは、カラダと心の健康に はとても重要です。
中医学では身体に必要のない水をスムーズに排泄に結びつけることを「利水」と言います が、通常、余分な水を身体の外に排泄する方法は「汗をかくこと」「尿を出すこと」の 2 つです。どちらも新陳代謝やデトックスに非常に大切なことなので、今回紹介した利水作 用のある「ハト麦」のほかに、「トウモロコシの髭茶」「すいか」「あさり」「昆布」な ど摂って、しっかり排泄しましょう。
また、 前述した「身体の不調」や「心の不調」があるときは、長引かせると夏バテや夏の だるさにつながることもあります。こういった梅雨の時期特有の症状は、早めの漢方治療 がとても有効なので、当院にご相談ください。
雨が降り続く季節は敬遠しがちですが、自然の農作物や草木にとっては恵みの水によって、 豊かに育つ大切な季節です。梅雨ならではの楽しみ方をみつけたり、お気に入りの傘とレ インブーツとともにゆったりとした心持ちで、梅雨の風物詩でもある紫陽花など自然を楽 しんではいかがでしょうか。心のリラックスもこの時期にはとても大切です。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、この時期の浮腫み症状でお悩みの方は、西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2025年06月24日