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何の病気だったのか推測!三国志の時代に存在したスーパー医師「華佗」から漢方健康法を学ぶ
今から約1800年前、後漢末期、三国志の時代。人々から「神医」と称賛されるひとりの男がいました。
その者の名前は「華佗(かだ)」。
豊富な薬学の知識と医療技術を持っており、彼の医術はまさに”神業”。その噂は中国全土 に名を轟かせ、魏の礎を築いた乱世の奸雄・曹操が典医(侍医)に召し出したほど。まさ しく彼こそ「神医」の称号に値する素晴らしい名医です。
医術によって高い功徳を積むも、当時の社会情勢に悩み、苦しみ、非業の死を迎えた彼。
今回は、三国志の記述の中から、神医「華佗」が成し遂げた治療をご紹介し、「現在だっ たら何の病気だったか」を古川先生に解説していただき、その記述から現代の私たちにも 通用する「健康法」も学んでいきましょう!
【華佗のスーパー治療:その 1】
昔、尹正という県の役人が、「手足が発熱し、口内が渇いて、人の話し声を聞いただけで ムカムカしてしまう。その上、尿が排出できない」という症状に悩んでいました。 尹正に呼ばれた華佗は診察すると、とても冷淡に、下記の診断を下しました。
尹正は華佗のいう通りに熱い料理を口にしましたが、どれだけ食べても、まったく汗が出 ず、3 日後にこの世を去りました。
当院の古川先生に、現代だったらどのような病気と考えられるか聞いてみましょう。
【華佗が今に伝える健康養生法】
中医学では冷たい飲み物や食べ物は避けて、できるだけ暖かいものを食べる事で、自然回 復力を養うことが重要だとされています。この考え方は現代の私達の、胃腸を整える基本 の養生学として学ぶことができます。
【華佗のスーパー治療:その 2】
とある郡司(郡主)が病を患って、華佗の往診を依頼しました。郡司の屋敷にやってきた 華佗は早速病状を尋ね、脈をはかり診察をした後、郡司の患った病は、一度怒り狂えば治 ると考え、特に薬を処方することも施術も行うこともなく多額の診察料を受け取ると、郡 司に挨拶をすることもなくそそくさと帰りました。
郡司 「あのジジイ、高い金だけとって何もしてねーじゃねーか!!」
イライラしていたところに郡司の息子が一通の手紙を持ってやってきました。その手紙は 華佗が郡司宛てに書いたものでした。群司は、「急用でもあったのだろうか…?もしかし たら処方や指示が手紙に書いてあるのかも知れない」と思い、期待を胸に、手紙を開封し ました。
ところが、その手紙には治療方法どころか薬草の分量すら書いておらず、逆に群司の悪口 やバカにしているような罵詈雑言が並べられていました。
群司 「あのヤブ医者めーーーーっ」
手紙を読んでおおいに怒った郡司は、配下の兵士に華佗を捕縛して殺すように命令しまし た。短く返事をして兵士が走り出そうとすると、
群司の息子が「いや、待て。その必要はない」と兵士を阻止しました。
群司 「お前まで、我をバカにするのかーっ!!」
群司はゆでダコのように真っ赤な顔になり、まるで顔中の穴という穴から湯気が出そうな くらい怒りました。怒りレベルがMAXに達したころ、郡司は大量のドス黒い血を吐きだ して気絶してしまったのです。
ベッドの上で目が覚めると、群司の病はすっかり癒えていました。
実は華佗、郡司の息子だけに「怒らせて治す」という治療方法をとることを打ち明けてい ました。そして、郡司の息子と共謀して郡司を怒り狂わす作戦を練り、実行したのでした。 お見事!
【華佗が今に伝える健康養生法】
この中医学の考え方は、現代社会においても同様でストレスが発散できないタイプの方は、 一度、感情を露わにし、健康な心と身体の回復を図る必要もあります。
また、心をコントロールする生薬も漢方では処方できるので、ストレスで眠れない、胃が 痛くなる、悲しくてやる気もでないなど、心の変化があった場合、西洋薬に頼る前に漢方 を服用してみるのもいいでしょう。
【華佗のスーパー治療:その 3】
曹操には「激しい痛みが発作的に襲う、慢性の頭痛と目眩がする」という持病がありまし た。それは、曹操が政治権力を握った頃から、症状が現れ始めていました。
曹操を診察した華佗が鍼治療を行ったところ、曹操の症状は回復しましたが、それは一時 的なものでしかありませんでした。
そう、華佗は言います。しかし、当時、脳の手術など行った人はいなかったため、曹操は 「お前はわしを殺す気か!」と怒り華佗の意見は聞き入れませんでした。
その後治療もせず故郷に帰った華佗を許せなかった曹操は、華佗の処刑を命じます。
しかし、曹操の頭痛はその後も続き、曹操が天下統一の志半ばで死去するのは、華佗の処 刑からまもなくのことでした。
【華佗が今に伝える健康養生法】
鍼治療は、「偏頭痛」以外にも「生理痛」「座骨神経痛」「肋間神経痛」など、各関節の 痛みの治療に効果が期待できます。
今回、解説をしていただいた古川先生は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。土曜日でも診察が可能ですので、身体に不調のある方は、西 洋治療や検査にも詳しい古川先生のアドバイスと治療が受けられる、この機会にお問い合 わせください。
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2020年10月19日