中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
男性の陰部のムズムズ感・残尿感…もしかして「前立腺炎」かも?
こんな症状はありませんか?
もしかしたら、その症状は「前立腺炎」かもしれません。
今回は、そんな男性の悩み「前立腺炎」の原因、生薬治療、養生法などを探っていき ましょう。
前立線炎とは?
「前立腺」は膀胱の下にある栗ぐらいの臓器です。
慢性前立腺炎は、30~40 代に発症するケースが多い病気で、様々な原因で起きるとされています。
この表のように、細菌の感染によって生じるカテゴリーIの「急性細菌性前立腺炎」 やカテゴリーIIの「慢性細菌性前立腺炎」とは違い、カテゴリーIIIの症状は患者が多いにもかかわらず、現代の医学をもってしても原因がはっきりと分かっていません。 当然、病院で処方された薬を飲み続けても症状は一向によくならないので、さまざまな病院を転々とする患者さんも少なくないのです。
また、時に細菌性、炎症性、無症状性など、原因と症状が一致しない場合もあります。
前立腺炎になりやすい3つのタイプ
前立腺炎になりやすい人には主に以下の3つのタイプに分かれます。
1)「膀胱湿熱」タイプ
・過度の飲酒習慣がある
・暴飲暴食が多い
・特に辛い香辛料が好き
・脂っこい味の濃い食事が好き
2)「肝気郁結」タイプ
・仕事のストレスが多い
・精神的な緊張が続いている
3)「脾腎陰虚」タイプ
・慢性的に身体に炎症が起こり、老化、疲労時に症状が悪化する
・メンタルが乱れがち
漢方で治療!その極意とは?
現代の西洋治療では、はっきりとした治療が確立されていない、カテゴリーIIIの症状でも、漢方医学は治療や予防ができる❗のです。
では、どのように治療や予防をするのでしょうか?
中医学の「熱淋」と「前立腺炎」
中医学の古医書には、「熱淋(ねつりん)」という病名があり、現代でいう「尿路感染や前立腺炎」の症状に似ています。
「熱淋」の「熱」は「尿が濃く黄色で熱を感じる」を意味します。「淋」は「上から 下へ流れる」ことが上手くいかない「頻尿・排尿痛・尿意切迫・残尿感・たらたら出 る」などの症状を総称して言います。
西洋医学では検査の結果によって細菌性の場合には抗菌薬を、非細菌性の場合には消 炎薬などを使用します。しかし、これらの薬物治療を行っても炎症が治まらないと、 慢性化してしまうのです。
漢方では、老廃物である「湿熱」の侵入を減らし、いかに効果的に「湿熱」を排泄す るかが治療のポイントになります。
「湿熱」を排泄して前立線炎の予防を!
「湿熱」は、慢性の前立腺炎などでもよく診られる、治りにくい体質であり、「湿」 と「熱」は、相反する性質ため生薬の選択や、生薬の量をうまく調整できないと治療 効果が現れません。
①「湿」体質を改善する
洗濯物を速く乾かしたいときに皆さんはどうしますか?
まずは、衣類を 1.脱水する、そして 2.空気をあてる、 それから 3.温めて乾燥させますよね?
中医学では、身体の老廃物「湿気」を排泄させるときも同じ思考で漢方薬を処方します。
まずは(1)利尿の生薬で尿を増やす(身体の中をキレイに洗い流す)
そして(2)肺を開く生薬で、呼吸を調える(空気をあてる)
最後に(3)胃腸を温める生薬で、身体の中を乾燥させる。(温めて乾燥させる)
このように漢方薬を調整しながら、「湿」体質を改善していきます。
②「熱(火)」を抑える
燃えている薪を速やかに消すためには、皆さんどうしますか?
まずは 1.水をかける、そして 2.空気を遮断する、それから 3.薪を減らすと消えますよね?
ここでも中医学では、身体の老廃物「熱」を排泄させるときも同じ思考で漢方薬を処 方します。
まずは(1)増液の生薬で水を増やす(水をかける)
そして(2)肺を収斂(しゅうれん)する生薬で呼吸を調える(空気をコントロールする)
最後に(3)胃腸を冷やす生薬で「熱」を便から排泄する(熱の素となる老廃物を排泄さ せる)
ここでも、このように漢方薬を調整しながら、「熱」体質を改善していきます。
BODY&SOUL メディカルクリニックで「前立腺炎」治療にお勧めの先生
生活で取り入れよう!「養生法」
規則正しい生活
規則正しい生活をするための第一歩はとにかく毎朝、朝食をとることです。
朝食は体内時計のリズムをつくる上で重要なので、朝、お腹のすかない人は、一度、 前日の晩御飯をサラダだけにして体内リズムを戻してみましょう。
理想的な朝食はこんな感じ・・・
排泄リズムを整える
中医学では、夜の9時前後は「腎臓」、朝の7時前後が「大腸」の働きが活発なる時 間帯とされています。前立腺肥大の人は夜の頻尿が気になりますが、午後3~6時の 間にしっかりと水分補給を心がけ9時前後の「腎臓」の時間帯にしっかり排尿し、尿 道を清潔な状態した後、睡眠に入りましょう。
便秘をしていると直腸にたまった便が尿道を刺激し、排尿障害が悪化させることもあ ります。便秘の人は夜の食材の選び方を工夫してみましょう。
理想的な朝食はこんな感じ・・・
適度な運動を取り入れる
適度な運動は気分転換になるばかりでなく、身体の老廃物 を排泄するのに役立ちます。運動不足になるとからだがむ くみ、前立腺もむくみやすく、血流も障害されるため症状 が出やすくなります。
中医学では老廃物を便、尿、汗として排泄されるとされて います。少し汗ばむ適度の運動を日課にしましょう。
半身浴の勧め
前立腺は胴体の中で末端にある器官なので、特に血流が悪 くなる部位にあたるため、血流を良くする半身浴は、症状 や病気の予防に役立つと考えられます。
ぬるめのお湯で、少し汗をかくぐらいの半身浴をしてみま しょう。心もリラックスし、血液の循環も良くなるので、 快適な入眠にも効果的です。
今回、ご紹介した「前立腺炎治療の漢方」は、当院の古川先生と鄭 淑華先生が実施し ています。
古川先生と鄭先生の診察治療は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 ま で受けられます。土曜日でも診察が可能ですので、「下腹部周辺の違和感や頻尿など の悩み」は中国にいる今、漢方で治療してみませんか?
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2020年11月02日