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【レシピ付き!】中国で春節にいただく!縁起の良い薬膳茶「元宝茶」
中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第四弾!
2月の今回の薬膳レシピは、中国の春節にちなんだ縁起の良い「薬膳茶」がテーマで す。
日本ではなじみの薄い中国の旧正月、春節。その春節の時に、中国の人たちがお客様 をおもてなししたお茶「元宝茶」をご紹介します。
「元宝茶」に欠かせない金柑の実
「元宝茶」は、古くから江南地域で春節の際に出す、とってもおめでたいお茶です。 お茶の中には金柑、緑茶、菊、クコの実が入っています。
宝の象徴で使われるという「金柑」は、見ためのとおり「お金のなる木」とされ、春 節には欠かせない縁起物です。春節が近づいてくると、金柑の実がついた木がクリス マスツリーのように飾られているのをよく見かけませんか?
また、薬膳では「金柑」は食欲不振や胃もたれにも用います。春節のごちそうで胃腸 は疲れ気味。そんなときに、金柑の甘い香りや菊、クコの実で「身体に籠った熱をデ トックスする」そんな効果のある薬膳茶なのです。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が 「薬膳」に!
さあ、これからやってくる春節に中国ならではの「薬膳茶」で心身ともに温まりましょう!
身体に籠った熱をデトックスするレシピ「元宝茶」
<調理時間> 3分
材料 (2人分)
緑茶・・・ 2人分(約 10g)
金柑・・・ 2個
クコの実・・・ 10粒
菊の花・・・適量
【作り方】
①グラスに緑茶の葉(1 人分:約5g)と、菊の花と、良く洗った金柑 1 個を皮ごと 入れます。
② ①のグラスに熱湯を注ぎ、上からクコの実を5~10粒ふりかけて出来上がり!
POINT
できれば、蓋をしてお客様にお出ししましょう。さらに透明なグラスを使えば綺麗な色合いが見れるので、見た目にも綺麗なお茶になります。
金柑は、ヘタとは逆のお尻の部分に十字に切り込みを入れて、入れるとさらに香りが出ます。この季節の金柑はそのまま食べても甘酸っぱくて美味しいですので、是非お茶と一緒に召し上がってください。
古川先生による「デトックス茶」の薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、冬場で籠った熱をデトックスする食材を教え てもらいました。もちろん、今回のお茶にもすべて入っています!
冬に採り入れたい、代表的な胃の養生の食材には、以下のようなものがあります。もちろん今回紹介したレシピに全て入ってますよ!
緑茶
お茶には苦味とほのかな甘味があり、中医学では、冬季に内臓に溜まる余分な熱を排泄する作用があると考えられています。カフェインも多く含まれるので、眠りの浅い人は午後15時以降は飲むのを控えましょう。また身体の冷えやすい人は摂取量を少なめにしてください。
金柑
酸味と甘みがありやや温性の果物です。胃腸の働きを良くする「理気」の生薬にも使う食材です。また香り豊かで爽快感があるので、元気が出ない時に食べるといい食材 でもあります。
クコの実
春節後は陰気から陽気の季節に移り替わる時期です。枸杞(クコ)には肺を潤し、肝腎を養い、体内の余分な内熱を取り除く効果があります。ただ胃腸の弱い人、下痢のしやすい人は控えめにするようにしてください。
菊
気圧の変化による春風の吹く季節、体調不良(眩暈や頭痛、吹き出物、目の痛み、イ ライラ感情、関節痛など)になりやすい人にお勧めの食材です。また、春の繁忙期に 疲労や焦り、胸騒ぎを感じる人にも、身体の熱を取り心が穏やかにしてくれる作用が あるのでお勧めです。
役立つ!春節の養生まめ知識その1
「春節に食べるもの」
中国では旧暦の1月1日が「春節」で、今年は2月12日が旧暦の1月1日となります。春節に中国の人たちがお祝いに食べている食事についてご紹介します。
「年夜飯」に何を食べる?
【魚料理】
縁起物の一つとして欠かせない魚料理。中国語で「魚(Yú)」の発音が、「余」という文字と同じことから、収穫が余る=豊作と重ねて、食卓に並べることになっています。
【餅】
また、お餅も縁起のよい食べ物の一つ。それは、来る年がさらによい年であるように という意味である「年年高昇」 の「年高(Nián gāo)」の読みが、年糕(ニェンカ オ)という餅と同じだから。年を重ねるごとに物事が高く上昇していくさまを表す言 葉に、繁栄や出世の願いが込められています。
魚の形の餅でさらに縁起良く
【水餃子】
東北地方や北の地方では「水餃子」を食べます。春節餃子を食べるのは富をもたらす という意味があります。水餃子を食べるのは「更歳(岁 sui)交子」(子の刻に年が変 わる)という意味で、「子 zi」は子の刻で、「交 jiao」は中国語で「餃」と読み方が 似ているので、一家団欒で水餃子を食べながら古い年を送り新しい年を迎えるのは 「喜び」「団欒」「縁起が良い」という意味があります。
上海人は元旦に何を食べる?
上海人は元日に「年毎に高くなる、生活がますます良くなる」ことを意味する、団子、 餅、蜂蜜餅、米餅、雲片餅を食べます。そのほか、万事順調を表す大豆のモヤシと金 持ちになることを祈るそら豆のモヤシを食べる習慣もあります。
春節最後の夜はお団子を食べます
旧暦の新年、最初の満月は春節の最終日です。この日は、中に甘いあんこを詰めたお 団子を食べる習慣もあります。丸いお団子に、家族円満や一家団らんを重ね、満月を 眺めながらいただくのです。春節最後の夜を家族そろって過ごす、大切な夕べです。
役立つ!春節の養生まめ知識その2
「餃子発祥の由来」
中国には餃子の由来については、たくさんの伝承がありますが、その中でも特に一般 的なのは、初めて餃子を作ったのは漢方医学の名医(張 仲景、150 年? – 219 年)だ というものです。
ある寒い冬の日に、張仲景は家に向かっていました。その帰り道にとても貧しい村を 通りかかりました。その村には寒さをしのぐのに十分な服も、体を温める食べ物もな く、村の人たちは耳に凍傷を起こしていました。これを見た張 仲景は村の人たちを助 けたいと思い、体を温めるスパイスや漢方薬をラム肉と一緒に煮込み、完成した具材 を小分けにし小麦粉で作った皮で包み、それを温かいスープに入れて、村の人々に振 る舞ったのです。
それから張仲景は冬の間中ずっとその料理を作り続けました。すると、旧正月の大晦 日までに村人たちの凍傷がみるみるうちに治っていきました。喜んだ村の人々はこれ をお祝いするため、仲景が作っていた料理を再現し、大晦日の夜に食べるようになり ました。この料理こそが餃子の原型だと言い伝えられています。
現在でも一般的な餃子の具材(豚肉・にんにく・生姜・ニラ)などは、身体を温める 食材となっています。そのため、冬場に水餃子を食べるのは理にかなっているんです ね。
今回、レシピ監修をされた古川先生は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、少しでも身体に不調のある方は、西洋治療や薬膳に も詳しい古川先生に一度相談してみてください。
2/11~17 は春節のため休診ですが、WeChat ビデオ通話で古川先生の健康相談が無 料で受けられるキャンペーンを行っております。ご希望の方はこちらの QR コードを 読み込んでお申し込みください。
お問い合わせをお待ちしています。
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2021年02月08日