中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
暑さを取り除きストレスを緩和する!6月の薬膳料理
中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第十四弾!
6月、今回の薬膳料理レシピは、「心(しん)」を労わるがテーマです。
上海の今はジメジメとした湿気が多く、30度を超える猛暑も続く、いわゆる「高温多湿」の 時期です。このような時期は、漢方では「暑邪」と「湿邪」が同時に身体に入り、疲労感、眠 れない、むくみ、下痢や便秘、湿疹、食欲不振、多汗、などの症状が現れやすくなると考えら れています…。どうでしょう?心当たりはありませんか?
実はこれらすべては初夏特有の身体の変化。
では、いったい何が身体に影響を与えているのでしょう?その答えは「心(しん)」!
漢方医学は、初夏は「心(しん)」に影響が出やすい季節だとされています。
「心(しん)」には、2 つの働きがあり、血(けつ)を全身に循環する働き、もう一つは精 神活動の維持です。
「心」を労わる薬膳料理で、カラダに溜まった湿気や熱を取りましょう!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮し て、ふだんからの食材の特性や組み合わせることも、立派な「薬膳」料理です。
さあ、「心を労わる食材」を使って「湿気暑さ」対策をしましょう!
心を労わる!「薬膳料理」レシピ
「トマトとセロリのマリネサラダ」
熱を取る作用のある「トマト」と、気を巡らせる効果のある「セロリ」を用いたマリネサ ラダです。レモンを使ったソースでさわやかな一品です。
調理時間: 15分
【材料】 2人前
・トマト(中)……2個
・セロリ……1本
・玉ねぎ(小)…………1/4個
・にんにく…………1/2かけ
(調味料)
★オリーブオイル…………大さじ 2
★レモン汁…………大さじ 1
★塩…………小さじ1/2
★黒こしょう…………少々
【作り方】
1) セロリは、葉も一緒にみじん切りにします。にんにくもみじん切りにします。
2) トマトはヘタを取って横半分に切り、放射状に8個に切り分けます。
3) 玉ねぎは、繊維に沿って薄切りにして、お湯に5分さらした後、水気を絞ります。
4)ボウルに★の調味料を全部入れよく混ぜます。
5) ドレッシングにセロリとニンニク、トマト、玉ねぎを入れます。
6) よく混ぜ合わせます。
7) 出来上がり!
☆材料を器に盛った後の汁は、ガスパチョ風に飲んだり、トマトを小さく切って加えて、 そうめんや細いパスタと和えていただいても美味しいです。
古川先生による「養心」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体をリラックスさせ、ほてりや熱を取る食材を教えてもらいました。
セロリ(芹菜)
セロリは清涼感があり、香りが豊かで微妙な苦さも感じられます。またストレスを緩和し、 血の流れを改善、身体の炎症を治める働きがあり、お酒の飲みすぎで身体が火照る人や、 血圧が高めの人に積極的に食べてもらいたい野菜です。
トマト(番茄)
甘酸っぱい人気の食材トマト。熱を冷まし暑気あたりを緩和し、身体に潤いを与え、喉の渇き を抑える作用があります。また胃腸を健康にし、胃腸の炎症を抑える効果もあるので、胃の痛 みを繰り返す人は「トマトの煮込み料理」がおすすめです。
レモン(柠檬)
レモンは酸味があり清涼感を感じさせる夏らしい食材。レモンの酸味には収斂作用があり、汗 などを調節してくれます。またレモンの皮の部分の香りはリラックス成分があり、緊張した血 管を緩ませ血流をよくしてくれます。また、レモンには喉の渇きを抑える作用もあるので、夏 場にピッタリな食材と言えるでしょう。
上記の食材は、今回紹介した「トマトとセロリのマリネサラダ」にも入っているので、是非、 作ってみてくださいね!
ドクターからの一言
夏は身体の熱を冷ましてくれる「寒涼性」の食材(いわゆる夏野菜と呼ばれるもの)を取り、暑邪へ備えましょう。
ただし、冷房で身体が冷えているのに、レタス・トマト・きゅうりなどの夏野菜を生サラダで食べてしまうと、ますます身体を冷やしてしまうことになります。そのため、冷房などで身体が冷えているときは、じゃがいも・にんじん・にんにくなどの食材を、温かいスープにして食することをお勧めします。
また、漢方では身体に必要のない水をスムーズに排泄に結びつけることを「利水」と言いますが、通常、余分な水を身体の外に排泄する方法は「汗をかくこと」「尿を出すこと」 の 2つです。どちらも新陳代謝やデトックスに非常に大切なことなので、利水作用のある「ハト麦」や「トウモロコシの髭茶」「すいか」「あさり」「昆布」など摂って、しっかり排泄しましょう。
また夏場に体調が悪くなってしまう人は、胃腸が弱っていることも多々あります。そのような方は、油が多い揚げ物などの料理は消化の妨げになってしまうので、煮る・蒸す・茹でるなどの素材の性質に合わせた調理法にするように心がけましょう。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2022年06月28日