中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
芯からじわっと温める!身体ぽかぽか、薬膳グリューワイン!
中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ十弾!
12月、今回の薬膳レシピは、ぐっと気温が下がるこの時期にお勧めの、「身体を温める飲み物」がテーマです。
寒い季節がやってきました。身体の温かさを保つためには、温めるだけではなく、「気」「血」が十分にあり、身体の隅々まで滞りなく循環していることが大切です。
今回は薬膳レシピとともに、身体を温める食材を徹底解説!ぜひ最後まで読んでくださいね!
身体を温める!薬膳ワインで寒い冬を乗り切ろう!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、ふだんからの食材の特性や組み合わせるとも、立派な「薬膳」です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬 膳」に!
さあ、「身体を温める食材」を使って「冷え」対策をしましょう!
身体ぽかぽか「薬膳グリューワイン」
今回は、寒い冬の夜におすすめの薬膳グリューワインのレシピのご紹介です。
では早速グリューワインを作ってみましょう!
調理時間: 20分
【材料】 2人分
赤ワイン・・ 200ml
水・・ 200ml
オレンジ・・1個
★ドライナツメ・・ 2個
★ドライリュウガン(種のないもの)・・ 10g
★ドライサンザシ・・ 5g
☆ドライクコの実・・ 10g
☆陳皮(ミカンの皮を乾燥させたもの)・・ 5g
☆シナモンスティック・・ 1本
☆クローブ・・ 4本
☆生姜スライス・・ 2枚
砂糖・・お好みで適量
【作り方】
1. ★の材料を分量の水に入れ、1 時間ほど浸しておきます。
2. 鍋に①を水ごと入れます。
※写真は6人分で作っています。
3. ☆の材料を加えて火にかけ、沸騰したら弱火でコトコト10分煮出します。
↑☆の材料
4. カットしたオレンジを薄皮ごと鍋に入れ、ワインを加えて温め、沸騰する前に火を止めます。
※強いアルコールが苦手な方は、ワインを沸騰させてアルコールを飛ばしてもいいでしょう。
5. お気に入りのカップやグラスに入れて出来上がり!
ワインを飲むだけでなく、身も全部食べることで、より身体がぽかぽかと温まりますよ!
一口メモ
甘めがお好きな方は、味を見ながらお砂糖を加えます。
このような氷砂糖がおすすめ!
薬膳の材料はここでどこで買えるの?
盒马や中国系の大型スーパーに売っています。
(注意) 全て乾燥(干)している商品を購入しましょう。
今回のレシピの薬膳 POINT
今回のグリューワインは主に以下の素材で構成されています。
①「気」を作り出す胃腸の働きを助ける、ナツメと生姜、消化を助けるサンザシと陳皮 (ミカンの皮を乾燥させたもの)
②「気」の循環を助ける柑橘類オレンジ
③「血」を補うナツメ、リュウガン、クコの実
④「血」の循環を助ける赤ワインとサンザシ
⑤身体や胃腸を温める生姜、シナモン、クローブ
冷えがひどい方は生姜を乾燥させたものを使いましょう。生の生姜は主に風邪の引き始めに風邪を発散させたり発汗させたりする働きがあり、乾燥させた生姜は胃腸を中心に身体を芯から温める力が強くなります。
古川先生による 「身体を温める」ための薬膳食材講座
さて、今日は体を温める食材のポイントを紹介します!
ポイントは大きく分けて3つあります。
ポイントその1
冬に旬を迎える食材、または寒い地域でとれる食材を選ぶこと
例えば、カボチャ・カリフラワー・ねぎ・ゴボウ・ニンジン・レンコンなどなど。また果物では、リンゴや柿なども寒い地方でとれますね。魚も同様です。例えば北の海でよくとれる鮭やまぐろ・かつお・サバなども体を温める働きがあります。
ポイントその2
色が、赤や黒、オレンジなど濃い色の食材を選ぶこと
例えば、ニンジン・カボチャ・ゴボウなど。また魚やお肉も同様に色の濃い赤身の方が、 体を温める働きが強いので、鮭やマグロ、牛肉やラム肉、鹿肉など赤身のものを積極的に食べるといいでしょう。
ポイントその3
土の中で成長する野菜を選ぶこと
例えば、ゴボウ・山芋・レンコン・ニンジン・生姜・カブなどが挙げられます。
これらを総合的に選んだところ、例えば「きんぴらごぼう」に使われるニンジンとごぼうは産地や色、土の中で育つため、体を温めるレシピとしてバッチリだということが分かりますね。
今回ご紹介したように、生姜以外にも体を温める食材はたくさんあります。いろんな食材をまんべんなく取り入れることで、栄養バランスも体調もよくなるので、意識していろんな体を温める食材を食卓に取り入れてみてください。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜20:00まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、冷え性や、寒さからくる様々な不調で悩んでいる方は、 西洋治療や薬膳にも詳しい古川先生に一度相談してみてください。 お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
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- 2021年12月06日
「漢方の足湯」 冷えだけでなく、腰痛や乾燥にも効く足湯を始めよう!
中国のお風呂事情
中国のお風呂事情はというと、一般的に湯船にお湯をためて体を温める習慣がありません。 汚れを落とすためにさっとシャワーを浴びるか、温まりたい場合はサウナに入る…といっ た傾向にあります。中国の家にはシャワーのみで湯舟がないか、あってもヨーロッパ式の 浅いものとなることが多く、日本のように肩までシッカリと入れる湯船はあまりありません。
質の良い睡眠を得るために、身体を温めてから寝るのはいいことですし、なんといっても冬場の冷え症の改善にも入浴はとてもよい習慣なのですが、中国では毎日入浴するのはとても困難です。
そんなときに、私達がお勧めするのが「足湯」です。
手軽に体が温まる足湯のススメ
足指からふくらはぎには、「三陰交(さんいんこう:足の内くるぶしから上に約5センチのところ、足の冷えにお勧めのツボ)」や、「太衝(たいしょう:足の親指と人差し指の股の付け根の位置、自律神経失調・ストレス・頭痛にお勧めのツボ)」をはじめ体を温めるツボが集中しています。
足湯をすると、これらのツボ付近を温めることにもなり、意外にもじわじわと軽い汗をかくくらい、身体も温まってきます。
そこに、漢方をプラスすれば、もっと効果的!
足湯にはどんな漢方を使うといいの?
さっそく、「漢方の足湯」を症状別に紹介します。
手足が氷の様に冷えた時は?
★身体を温め、血流を良くし、筋肉を弛緩させる生薬を配合します。
【処方生薬例】当帰 桂枝 木瓜 生姜など
寒くなると血圧が上がる人は?
★下半身の血管の収縮を和らげ、血流を改善することで、心臓の負担を軽減する生薬を配 合します。
【処方生薬例】桑枝 桑の葉 茺慰子など
冷えると腰が痛くなる人は?
★漢方を服用しながら、身体の中、更に足裏から腰を温める生薬を配合します。
【処方生薬例】威霊仙 鎖陽 当帰 桂枝など
足が痒くなりやすい人は?
★皮膚のかゆみを抑える生薬を配合します。
【処方生薬例】苦参 蛇床子 蒼朮 地膚子など
手足の皮膚が乾燥しカサカサしている人は?
★手足の血流を良くし、潤いを与える生薬を配合します。
【処方生薬例】当帰 赤薬 玉竹 人参葉など
上記の漢方薬(生薬)をご希望の方は、下記のリンクからご連絡ください。症状をお聞きして、ドクターが処方いたします。
※予約申し込みの際は、症状の欄に「症状」と一緒に「足湯の漢方希望」とご記入ください
足湯はこうやって入る!
足湯は意外と簡単!ここでは基本的な入り方を説明します。
①まず、足の「くるぶし」より上まで浸けることのできるバケツ又は、洗面器を用意 します。
★タオバオでも足湯専用器も売っています。(「泡脚器」で検索してみてください)
②用意したバケツや洗面器に 40 度前後くらいの温度の湯を入れ、処方された漢方を 入れてかき混ぜます(当院の処方する漢方は顆粒状です)
★漢方を入れない場合は、塩をひとつまみ入れると温浴効果が増します。
③25~30 分間、くるぶしより上までの足をお湯に浸けます。
★足湯の間に、湯が冷めてきたら、あらかじめ沸かしておいた湯を少し注いで、温度を保つようにしましょう。
④終わったら、浸かった足の部分に軽くシャワーを当てて洗ってください。
ドクターから足湯の注意事項
1) 火傷に注意しましょう。適正温度は42~45°C、足湯の時間は30分程度が適しています。
2) 食後の足湯は避けましょう。消化不良になる恐れがあります。
3) 生薬にアレルギーがある場合には足湯を控えましょう。
4) 足に水虫がある場合には、単独で入浴器を使いましょう。
5) 生薬の足湯は皮膚から薬物が吸収されます。吸収速度も遅く、病気の補助的な治療になります。
※重症の患者さまは、症状が長引かないように必ず専門病院に行って診察を受けてください。
今回、ご紹介した「漢方の足湯」は、当院の鄭先生が黄浦クリニックで、古川先生が虹梅路クリニックで20時まで診察を実施しています。
左から鄭先生、古川先生
土曜日でも診察が可能ですので、漢方の足湯を試してみたいという方は、鄭先生か古川先生に一度相談してみてください。
お問い合わせをお待ちしています。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
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- 2021年11月22日
免疫力をUPして本格的な冬に備える!11月のぽかぽか薬膳料理レシピ
中国4千年の「中医学(漢方医学)」の理論をベースに、中医学ドクターが季節に応じた薬膳料理レシピをお伝えする「カンタン!薬膳料理」シリーズ第九弾!
11月の薬膳料理レシピは、これから本格的に寒くなる季節に「身体を温め免疫力を上げ る!」がテーマです。
11月に入ると立冬を迎え、山の木々は紅葉を始めました。
冬の季節は自然界にも陰の気が増すので、当然、身体もその影響を受けて誰でも寒さを受けやすくなります。冬本番を迎える前でも、突然の気温の低下に衣服の調節が追い付かず、 体に冷えを受けて「寒邪」に犯されることがあります。この冷えは体内のめぐりを鈍らせるため、誰もが体を温める力が弱まり、足の筋肉や首筋のひきつりやこわばり、関節の痛みなどが起こりやすくなり、また悪寒、腹痛、下痢、手足の冷えを感じやすくなります。
そのため、本格的な冬を迎える準備として“身体を温める食材を取り入れていく”ことが、 11月の食養生のポイントとなります!!!
そこで今回は、身体を温め免疫力を上げる、薬膳レシピをご紹介します。
寒邪から身を守る薬膳料理で、冷え症にならないようにしよう!
「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、ふだんからの食材の特性や組み合わせ流ことも、立派な「薬膳」料理です。
難しい材料を使わず、普段の食材の組み合わせを工夫するだけで、いつもの食材が「薬 膳」に!
さあ、「身体をうるおす食材」を使って「乾燥」対策をしましょう!
身体を温める!「薬膳料理」レシピ
「秋鮭の和風ストロガノフ」
調理時間: 15分
【材料】 4人前
・秋鮭……4切れ
・長ネギ(2 ミリ程度の斜め切り)……1 本
・生姜(微塵切り)……1 片
・エリンギ……1 パック
・シメジ……1 パック
・豆乳……300cc
・日本酒…….大さじ 2
・味噌……大さじ 2
・バター……20g
・オリーブオイル……適量
・強力粉……適量
・塩・胡椒……適量
・パセリ(みじん切り)……適量
【下ごしらえ】
★鮭は塩麹に一晩漬けておきます。
【作り方】
1. 一晩、塩麹に漬けた鮭に強力粉をまぶし、オリーブオイルを熱したフライパンで両面 を焼いて取り出し、4~5 等分にカットします。
2. フライパンにオリーブオイルをしき直し、生姜とネギを入れて弱火にかけます。
3. 香りが出てきたら食べやすく切ったキノコ類を加えて炒め、日本酒をふり入れて塩・ 胡椒をします。
4. 味噌を豆乳で溶かして加え、温まったら鮭を加え一煮立ちさせ、バターを加え、最後 に塩・胡椒で味を整えます。
5. ご飯とともに器に盛り付け、パセリを散らしたら出来上がり!
古川先生による「免疫力 UP」のための薬膳食材講座
今回、レシピ監修をされた古川先生に、身体を温め免疫力を UP させる食材を教えてもらいました。
秋鮭
秋鮭は、胃腸を温め、消化機能を増進する効果があるので、胃腸が弱い方や消化不良のと きにも有効な食材です。また、気を補い、血の巡りもよくするため、風邪をひきやすい方 や冷え性の方にもお勧めの食材です
生姜
生姜は「吐き気止め」の聖薬とも呼ばれています。上海のように急激な気温の低下で、身 体が冷えたとき「生姜湯」を飲むことで風邪の予防になります。さらに身体を温める作用 があるため「ナツメ」と一緒に摂取すると、生理痛の緩和が期待できる食材です。
長ネギ
冬になると関節が痛む人がいます。「寒邪」が身体に入り込んでしまうからと中医学では 考えますが、この様な時には「長ネギ」を食するといいでしょう。「長ネギ」は血液の流 れを良くし、関節を温めるのに効果的な食材のため、中国の寒い地域の人たちは昔から積 極的に摂取している食材です。
しめじ・エリンギ
しめじ・椎茸・エリンギなどのきのこ類は、免疫力を高めてパワーをつける補気作用の高 い食材で、生活習慣予防やガン予防に効果的な食材です。また他にも、マイタケは有名な 霊芝と同じサルノコシカケ科の中でも唯一の食用ですから、滋養強壮や免疫力アップに積 極的に摂りたい食材です。
上記の食材は、今回紹介した「秋鮭の和風ストロガノフ」にも入っているので、是非、作 ってみてくださいね!
ドクターからの一言
中医学では、「人間は自然界の一部であり、自然と共存しながら生きている。そのため、 自然界の影響をとても受けやすい」という考え方があります。 日本同様に中国には季節 があり(春・梅雨・夏・秋・冬)、各々の季節には特徴があります。しかし、私たちの身 体が何らかの原因で免疫力が低下していると、この季節の特徴は「邪気」となって私達の 身体に侵入し健康を阻害してきます。
特に冬は「寒邪」という邪気が身体に侵入してきやすくなりますので、体を温める効能を 持つ「温熱性の食べ物」を積極的に取り入れましょう。
ここでは、身体を温める代表的な食材をご紹介します。
〜体を温める野菜〜
かぼちゃ、シソ、シナモン、生姜、ネギ、玉ねぎ、ニラ、にんにくなど
〜体を温める肉類〜
ラム肉、牛肉、鶏肉など
〜体を温める魚介類〜
エビ、鮭、ナマコなど
〜その他体を温める食材〜
黒砂糖、栗、くるみ、胡椒、日本酒、酢、唐辛子、なつめ、もち米など
これらの食材を日常的に意識してとることで、身体が温まっていくので、ぜひお試しください。
今回、レシピ監修をされた古川先生の診察は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜 20:00 まで受けられます。
土曜日でも診察が可能ですので、冷えや関節の痛みを始め、身体のさまざまな不調で悩ん でいる方は、一度相談してみてください。
★保険についてのご質問や、どの先生に診てもらえばいいどの?漢方薬は苦い の?など、なんでもご質問ください!
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2021年11月08日
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