老中医の診察室〜症状別漢方治療・養生法〜
「外反母趾、巻き爪」の治療法
足にトラブルを抱えていると、歩くたびに痛みを伴い、日常生活にも支障をきたすことがあります。当院ではトラブルの発症原因に合わせて治療を行うとともに、必要に応じてオルソティック(医療用インソール)を使って治療を行います。
※オルソティックとは、足部の構造医学から疾患となる原因を追究し、それを改善するために何万もの臨床データをもとに開発された、医療用の中敷きを使った治療法です。
この医療用インソールを使って
① 体幹の安定性を向上させ、姿勢を改善
② 首、腰などのコリや痛みの緩和
③ 正しい歩行ができることで外反母趾や足部のトラブルの改善
などができます。
【足部のトラブルの主なタイプ】
① 外反母趾
② 足の指の巻き爪
③ うおのめ・タコ・イボ
④ 足の裏のひび割れ
※上記以外にも足部のトラブルはあります。症状が出てお困りの方はご相談下さい。
【足部のトラブルのタイプ別治療法】
① 外反母趾
特徴:足の全体構造が崩れてしまい、結果的に母趾が「くの字」に曲がり過度の負荷がかかると痛みを伴う病気です。原因は母趾だけではない為、まずは足全体のどの部分が悪いか見直す必要があります。
治療方法:
・医療用インソール(足底装具)による足全体構造の補正を行います。
・身体の姿勢の改善や歩行機能訓練が中心となります。
② 巻き爪
特徴:爪が内側に巻いていることにより爪の角が刺さり、炎症を起こし痛みを伴う病気です。
治療方法:
・爪の周りの角質を清潔に取り除くことで刺激を減らします。
・足の形や構造上の問題を改善し、悪化しないように補正します。
③ うおのめ・たこ・イボ
特徴:足底の刺激により角質が厚くなるものや、異物の混入、ウイルスなどの原因によるものがあります。
治療方法:
・足の構造を診察し、足底の負荷を軽減するための医療用インソールなどの補正を行います。
・ウイルスや異物などが混入しないように、足の清潔化を指導します。
④ かかとのひび割れ
特徴:かかとの古い角質が厚くなると硬くなり、不衛生になりやすく割れやすくなります。また、血流が滞ることによって起こることもあります。
治療方法:
・まずは、硬くなった角質を取り除くことが大切です。
・医療用インソールで補正し、踵の負荷を軽減させます。
・マッサージを行って、足底の筋膜を柔らかくし血流改善を促します。
【足部のトラブルの治療が得意な理学療法士の治療室】
Scott Blake(スコット ブレーク) 理学療法士
Aさんは上海在住の40代の女性です。両脚の指の付け根が変形して痛み、改善と悪化を40年以上も繰り返してきました。なんとか痛みを和らげたいとのことで来院されました。
初診時、Aさんの足の親指は小指側に「くの字」に曲がり、人差し指と中指の変形もありました。主に左足に症状が見られ、普段運動靴を履いている時は痛みを感じませんが、少しきつめの靴を履いて歩いた後は足の親指の変形している所に激痛が走るとのことでした。スコット先生がAさんの身体のバランスを見ると、両脚の長さが異なりました。そして、Aさんは常に腰痛があると話しました。
スコット先生は、まずは包帯で足を固定し、親指の変形している関節にかかる圧を足全体に分散させることにしました。そして医療用インソールを処方しました。そのインソールを靴に入れて、できるだけ毎日歩くように、立っている時間の八割以内で使うようにと指示をしました。そうすることで変形している関節への圧を分散させると同時に両脚の長さも矯正でき、痛みを大幅に軽減させるとともに悪化も防ぐことができるのことでした。
Aさんは医療用インソールを使用して、最初は違和感がありました。スコット先生から最初は一日二時間から使い始め、だんだん時間を増やしていくようにとアドバイスがあり、Aさんがその通りにしたところ、一週間後には慣れ、歩くのも楽になり、親指の痛みも無くなったのでした。腰痛も無くなり、その後再発していません。
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- 老中医の診察室〜症状別漢方治療・養生法〜
- 2017年12月13日