老中医の診察室〜症状別漢方治療・養生法〜
「首・肩の痛み」の治療法
「首(や肩)が凝る!」、「凝るを通り越して痛い!」。どなたもご経験があるのではないでしょうか。とてもなじみのある症状ですがその原因は様々で、確かな治療のためにはしっかり原因を探って治療プランを立てる必要があります。
【首・肩の痛みの主な症状】
①子供を抱くと、首肩や背中が痛む
②長時間のパソコンで、首肩が痛み頭痛もある
③首や肩を動かすと音が鳴り、腕に痺れもある
④首肩が痛みで仕事に集中できない
※他にも首や肩の痛みの症状は多くあります。実際に症状がある方は中医師にご相談ください。
【首・肩の痛みの症状別治療法】
① 子供を抱くと、首肩や背中が痛む
特徴:首や肩を支える背中の筋肉がうまく動かない、または体幹筋肉が弱いタイプ。
治療方法:凝り固まった首と肩の筋肉を和らげ、血行を良くし痛みを抑える。
運動療法:背中の筋肉を動かす運動と、背中の支える体幹筋力を強化するための運動療法を実施。
②長時間のパソコンで、首肩が痛み頭痛もある
特徴:長時間の首肩の前屈で首の筋肉が疲労し硬くなり、血行が悪くなり頭痛になるタイプ。
治療方法:首肩、肩甲骨に付随する関節がスムーズに動くように施術します。脊椎の歪みを調節し安定性も保つようにします。
運動療法:一日三回のストレッチ&筋肉収縮運動指導をします。また、仕事姿勢の見直し(机、モニター、マウスの位置など)し、身体全体を支える筋力強化の運動療法を実施します。
③ 首肩を動かすと音が鳴り、腕のしびれもある
特徴:首肩の関節の位置が悪く、関節を固定している靭帯が疲労消耗している状態。慢性的な刺激により関節周りの骨も肥大し神経を圧迫してしまうタイプ
治療方法:首肩の関節を正常な位置に調節し、慢性的な刺激を軽減させ、関節周りの血流改善し痛みを軽減する施術をします。
運動療法:関節周りの筋力強化を指導します。(テーピング指導も実施)
④ 首肩が痛みで仕事に集中できない
特徴:痛みがあり仕事効率が低下、睡眠時間も短くなり、さらに首肩の痛みが激しくなる悪循環サイクルのタイプ。
治療方法:最初に痛みや睡眠をコントロールするために漢方薬や消炎鎮痛剤、鍼治療を行います。症状の改善がみられてきたら、筋肉の血流を改善し、痛みを緩和する施術します。
運動療法:身体全体の緊張を緩和する運動療法を実施します。
【首・肩の痛みの治療が得意な理学療法士の治療室】
フランク 範先生
Aさんは46歳の女性です。半年ほど首の右側が痛む症状に悩まされています。
首を傾ける範囲が狭くなっているように感じます。痛みは肩甲骨の内側にもおよびはじめ、親指にしびれも感じるようになってきました。不安になったAさんは当クリニックを受診されました。
フランク・範先生はAさんの話をじっくりと聞いた後、Aさんの身体の状態を細かく検査していきます。首の稼動範囲がどうなっているか、痛みが目立つ部位はどこか、骨格のゆがみがあるかどうか・・・。結果、フランク・範先生は僧帽筋に問題があると判断しました。僧帽筋は背中にある大きな筋肉のひとつです。胸の辺りの高さから肩、首にかけて広がっています。肩凝りの方はよく肩をもみますが、そこは僧帽筋の一部なのです。この筋肉が緊張する(=凝る)ことによって、首や肩の痛みだけではなく親指の痺れも引き起こしているのでした。
首や肩の凝りの原因は僧帽筋だけではなく様々です。原因の切り分けのためにしっかりとした検査が必要になります。
フランク・範先生はAさんに筋肉の緊張をほぐす手技を行ないました。解剖の知識に基づく的確な部位のマッサージだけでなく、Aさんの身体を動かしながら実施するMETという特別な手法を用いました。筋肉だけでなく関節にも働きかけ、また意外なことに呼吸の方法についての改善トレーニングも実施されました。実は僧帽筋は呼吸にも重要な役割を担っているのです。
またフランク・範先生は日常生活におけるアドバイスも行ないました。一人でも行なえるストレッチの方法、首の姿勢の改善(うつむきがちな姿勢を避ける、適度なストレッチや筋力トレーニングなど)、重い荷物を長時間もたないなど・・・。
Aさんは10回の治療(姿勢の矯正、ストレッチ、呼吸トレーニングなど)の後、あんなに悩まされていた痛みや痺れがなくなりました。
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- 2018年05月09日