老中医の診察室〜症状別漢方治療・養生法〜
こんな治療が得意な理学療法士!「不妊治療と鍼」編
中医学の治療は妊娠しやすい身体づくりです。ホルモン治療や体外受精など挑戦しながら、健康な子供を授かるための体質改善や、生薬や鍼灸で月経周期やストレスを改善しながら、妊娠力を高めることが目標になります。
【不妊治療と鍼の診察と治療法】
「不妊の症状」を中医学の視点から、独自の診察をし、治療方法を提案します!
漢方治療
・月経周期に伴う症状の緩和、例えば月経痛、排卵痛、月経前の頭痛及び情緒変化などを調整し、妊娠しやすい身体作りを目指します。
・月経周期に合わせた漢方処方(周期療法)を実施。流産しやすい人の体質改善も。
鍼灸治療
・鍼治療で子宮や卵巣の血流を改善し、排卵や子宮内膜の機能を健康な状態に調えます。
・月経周期を整えるために、経絡を利用して睡眠の質、時間、リズムなどを調節します。
・心と身体をストレスフリーの状態に導きます。
【心のケアと食事指導】
★生活環境でのストレス緩和方法など、不安や焦りを取り除く「心のケア」を行う
★妊娠前の体力作りを目標とした生活、運動面などのアドバイス。
★栄養のバランス、滋養強壮の食材の紹介も含めた食事指導も実施。
【不妊治療と鍼の治療が得意な理学療法士の診察室】
芦田明日香先生(左)、楊依群先生(右)
Kさんは上海に住む36歳、結婚5年目の女性です。
この4年間妊娠を希望され、ホルモンや基礎体温などを参考にタイミングを計っていますが妊娠に至りませんでした。エコー検査の結果、子宮や卵巣に異常は見つかっていません。 月経周期は30~40日。生理時には血塊がみられ、生理痛や頭痛が伴い鎮痛剤を飲む時もあるそうです。PMS(月経前症候群)も顕著で、イライラしたり胸の張りを感じるといいます。普段から寝つきが悪く、疲労感などもあります。
芦田先生はKさんの状態を観察し、問診を行い、『肝郁气滞血瘀』と診断を下しました。感情の乱れが「気」と「血」の流れに影響していると考えたのです。ストレスに関係する「肝」と、女性と結びつきの強い「腎」が弱まっていることから、それぞれに対応したツボを施術しました。またそれ以外に日常の生活上でのアドバイスとして、神経質になりすぎない、なるべくリラックスして楽しく過ごす、男性側の体調や心理状態も考慮してプレッシャーを与えないようにする、などの助言を行いました。
1か月後の診察:寝つきの悪さが解消されたそうです。疲労感も和らいだほか、PMSにも改善が見られ、胸の張りやイライラが楽になったといいます。
2か月後の診察:生理痛や腰のだるさ、頭痛に改善が見られたそうです。生理時の血塊が減り、身体が好調であることを実感できるそうです。
3か月後の診察:長めだった月経周期が正常の感覚に戻り、排卵日のタイミングが計りやすくなったそうです。
そして5か月後、整理予定日を1週間過ぎてもこないため検査した結果、妊娠していることがわかりました。
★保険についてのご質問、漢方ってどうやって飲むの?苦い?
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- 2019年09月02日