中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
『薄毛と抜け毛の予防と漢方』
漢方の力で薄毛・抜け毛を改善に導く!
ふと鏡を見て、髪の量が減っていると気付いた時に受けるショックはとても大きいですよね。「もう薄毛や抜け毛で悩みたくない!」と治療薬の使用を考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、興味はあるものの副作用などが怖くて手が出せない、という方も中にはいるようです。実際、男性向けに開発された治療薬は人によっては、身体に悪影響を及ぼすこともあり、治療薬選びには注意が必要です。
そこで、治療薬を使うのに不安が残るけれど薄毛を改善したいという方は、西洋医学で使われる治療薬ではなく、漢方での治療を視野に入れてみてはどうでしょうか。
また、抜け毛が増えたり髪が薄くなってきたりしているならば、それは体内の健康状態が悪化してきていることを警告するお知らせ。外見上の問題も大事ですが、健康を維持する、あるいは健康状態の悪化を予防するためにも、体質から改善しておくのがいいでしょう。
今回は、漢方医学からみた薄毛、抜け毛のおすすめの漢方などをご紹介します。記事を参考に、自分の症状への対処ができそうな漢方を探してみてくださいね。
漢方が抜け毛に効くの?
まず気になるのは、そもそも「漢方が抜け毛に効くの?」ということではないでしょうか。
実は漢方は実際に薄毛治療に取り入れられており、体質や抜け毛の状態に合った漢方を適切に使用することで、症状の改善に期待できるんです。
漢方での治療は、西洋の治療薬のようにすぐ作用するのではなく、時間をかけてじっくり全身に作用していくという特徴があります。そのため、治療を始めてすぐに効果が出ないからと服用を中断せず、長い目で見て継続することが大切です。
【漢方診察って?】
漢方医学では、望診という診察方法があります。望診とは、顔の表情、皮膚の色、筋肉や骨格、姿勢などの表面の情報から、体内の五臓六腑や経絡の機能を判断する方法です。毛髪に関しても量、質、光沢、部位などから体内の機能を診察し、薄毛や抜け毛などから老化や健康状態を判断することができます。
薄毛や抜け毛になる仕組みを理解しよう!
毛髪の大部分(80~90%)は蛋白質、残りはメラニン色素、脂肪、微量元素からできています。主成分のたんぱく質は、ケラチンでシステインというアミノ酸を含んでいる物質です。
あなたはどのタイプでしょうか?
①前側頭部が後退していくM型は「血虚」タイプ
中医学では「血の余り」が髪となるといわれています。血の成分の55%近くが蛋白質ですから、胃腸が弱い人は、蛋白質をアミノ酸に分解する働きが弱く、吸収量も減るため、胃腸の経絡と関係ある、前側頭部が後退していくM型になりやすいと考えられます。
②後頭部を中心に次第に薄くなるO型は「腎虚」タイプ
髪は「腎の華」といわれ、五臓六腑の腎臓が髪の状態を管理していると考えます。髪の状態から老化の程度、ホルモンのバランスなどを読み取ることができ、後頭部を中心に次第に薄くなるO型は腎臓と関係があると考えられます。
③頭皮が湿りフケが多い「湿熱」タイプ
炭水化物や砂糖、そして脂質を多く摂取する人は、「湿熱」体質になり、頭皮が湿りフケが多く毛髪に悪い影響がでます。
④円形脱毛や髪が細くなる「瘀血」タイプ
最後にストレスを感じ緊張しやすい人は「瘀血」が溜まりやすく頭皮の血流が悪くなり、円形脱毛や髪が細くなる人がいます。
薄毛と抜け毛対策の漢方
男性は「腎虚」と「瘀血」のタイプが多く感じられます。また女性の薄毛の場合は「血虚」と「湿熱」が混在しているタイプが多いようです。
漢方では、このような方に下記の生薬を処方します。
●血虚タイプ:血を補い育てる『何首烏、当帰、熟地黄、芍薬』など
●腎虚タイプ:腎を補う『胡桃、墨旱蓮、女貞子、桑奇生』など
●湿熱タイプ:湿を乾燥させ熱を取る『ヨクイニン、半夏、黄連、陳皮』など
●瘀血タイプ:血の流れをよくし瘀を取り除く『丹参、紫草、紅花、益母草』など
中医学では、腎は先天的な臓器とされています。特に「男性型脱毛症」は、遺伝的要素が強く男性ホルモンの反応で発症するため、一種の老化現象なのです。先天的に腎が弱い方は、元の毛髪状態に戻すことは困難です。しかし、後天的な臓腑の胃腸を健康にすることで、進行を遅らせたり、他の症状を改善したりすることができる場合があります。
また、漢方の診察では、 薄毛、抜け毛対策「生活においての養生法」も大切に考えています。ですので、診察の時は、漢方薬の処方以外に、食事や睡眠や生活のリズムなど、個人の体質によって細かくアドバイスします。
今回、ご紹介した「抜け毛、薄毛対策の漢方」は、当院の黄健理先生と古川先生が実施しています。
(左)黄健理先生 (右)古川先生
50年以上の臨床経験と研究から裏付けされた、黄健理先生の抜け毛、薄毛の漢方治療は、効果も非常に高く今まで多くの患者を改善に導いてきました。
黄健理先生と古川先生の診察治療は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜20:00まで受けられます。土曜日でも診察が可能ですので、今、薄毛や抜け毛にお悩みの方は、中国にいるこの機会に経験豊富な医師の、中国本場の漢方治療を試しませんか?
★保険についてのご質問、漢方ってどうやって飲むの?苦い?
どの先生に診てもらえばいい?などなんでもご質問ください
- 中医学の知ってて得する(Wechat配信)記事
- 2020年06月03日
日本から持ってきた常用薬がなくなった・・・
日本から持ってきた常用薬がなくなった・・・
今、日本へ一時帰国ができない状況になってしまい、今まで日本で処方してもらっていた常用薬を持ってくることもできなくなっています。
持病がある方は困っておられる方も多いのではないでしょうか?
漢方(中医学)では、このような長期に西洋薬を飲み続けなくてはいけない症状に対して、体質改善をすることで症状を緩やかに改善させることができます。
この機会に、一度、症状の根本的な改善を目指して、漢方(中医学)を試してはいかがでしょうか?
今回は、当院によくお問合せのある下記の2つの症状について、漢方治療成功例を挙げてみました。
・高血圧症
・アレルギー症状(蕁麻疹・鼻炎など)
降圧剤を服用している方
<中医学治療例>
※K さん 上海在住 55歳 男性
(症状)降圧剤を服用して3年。血圧は140/90mmHgにコントロールされています。 しかし最近、眩暈や動悸、腰痛があり、イライラして心が落ち着かないことも多くなったので来院されました。
中医学診察 ①舌診
舌は薄紅、先端が赤く、淡く黄色い厚い苔があります。
中医学診察 ②脈診
脈は滑らかで細い状態でした。
<診断の結果>
日頃から憂鬱でイライラし、暴飲暴食で下痢や便秘をくりかえすことから、「肝」と「脾」の関係が悪いと判断しました。これが原因で気と血の栄養が正常に吸収できず、反対に体の中に「痰湿濁」が溜まり、血液の流を悪くして眩暈、動悸の症状が現れると考えました。
<治療>
治療には、まず初めに身体の「痰湿濁」、いわゆる老廃物を取り除く漢方薬処方から、開始しました。
<治療経過>
漢方薬を1週間服用したところ、便は柔らかくなり排便しやすくなって、お腹の張りも軽減してきました。
ここで、前回の処方に「肝腎を養う漢方」を加えました。また、Kさんはストレスの発散で飲酒することが多く、飲酒による老廃物を貯めてしまうため、「先週よりは飲酒量を減らし、野菜など多めに食べるようにしましょう!」と提案しました。
漢方薬服用から3週間後、眩暈や動悸が軽減し、心が穏やかになり食欲も改善、腰痛も軽減しました。ただ、睡眠の質が悪く、夜中に目が醒めてしまう、疲労倦怠感があるという症状がまだあったので、前回の処方に「血流を改善し睡眠をよくする丹参」などを加えました。また、「心臓を休めるため、睡眠の質と時間を計画的に調節するアドバイス」をしました。
漢方薬服用から5週間経過。眩暈、動悸はなく、睡眠の質も改善しました。血圧は120/75mmHgと下がり始めたため、降圧剤の量を調節し、症状が安定してきたため継続的に漢方薬を服用してもらいます。
漢方薬服用から9週間経過。眩暈、動悸がなくなり、血圧も安定したため治療終了となりました。
最後に、気力と体力の回復が診られたため、「持続可能な運動計画」をアドバイスしました。
<先生からの一言>
病気を治療するためには、暴飲暴食や食の偏りに注意しましょう。もう1つはストレスです。緊張や不安、不満が多いと血管が収縮しやすく、血圧も高くなります。また、ストレスは血管内の微量の炎症を促進し、動脈が硬くなる原因にもなります。紫色の葉物野菜を摂取し、血管を軟らかく健康にしていきましょう。気分転換に適度な運動や森林浴などもいいでしょう。
【アレルギーの症状】 抗アレルギー剤(ステロイド薬)を服用している方
<中医学治療例>
※A さん 上海在住46歳 男性
(症状)以前は、ロラタジン(2錠/日)を用いた抗アレルギー治療でしたが、この1か月間、軽い皮膚炎を繰り返し、忙しかったこの1週間に悪化し、痒みも激しいため来院されました。
また、全身に赤みが見られ、ところどころもりあがった様子がありました。喉が渇き、皮膚が熱に触れると症状が悪化し、睡眠状態は悪い状態でした。
中医学診察 ①舌診
舌は赤く、薄い苔があります。
中医学診察 ②脈診
脈は速く細い状態でした。
<診断の結果>
Aさんの症状は、風邪(ふうじゃ)が体の表面を侵し、熱がこもっていることが原因で起こると考えました。
<治療>
治療にはその風邪(ふうじゃ)を取り除く「やや辛みのある漢方」と、熱を取る「清熱解毒の作用のある漢方」から始めました。また、抗アレルギー薬のロラタジン(2錠/日)も継続していただくことにしました。
<治療経過>
漢方薬を2週間服用したところ、皮膚のかゆみは緩和され、熱に触れたときのかゆみもなくなっていたため、ロラタジンの服用量を1錠/日に減らすことにしました。ややゆるめの便が日に2~3度ありましたが、睡眠状態は改善。しかし、まだ舌は赤く、薄く苔が見られます。脈も細い状態です。
なので、前回の内容をもとに調整した漢方薬を14日分処方しました。
漢方薬服用から4週間後、皮膚のかゆみはかなり改善されたので、ご自身でも抗アレルギー剤の服用量を減らすようことに抵抗感がなくなってきたと仰っていました。さらに安定させるために、漢方薬の服用を続けます。また この時同時に、慢性の食物アレルギーテスト(後述)を実施しました。
食物アレルギーテストの結果、「牛乳」に強いアレルギー反応があったので、体質改善が終わるまで、「牛乳」を摂取することを中止してもらいました。
漢方薬服用から6週間後、皮膚のかゆみは落ち着いてきましたが、洋食を食べた次の日には、皮膚がむずむずすることが分かりました。前回のアレルギーテストの結果、「牛乳」に強いアレルギー反応があったので、洋食のチーズなどが関係していると考えられたので、積極的に「牛乳」を摂取することを中止してもらいました。さらに漢方薬の服用を継続します。
漢方薬服用から3か月後、皮膚のかゆみは改善し、抗アレルギー剤の服用もほぼなくなり、月に2~3回の服用で済むようになりました。「牛乳製品」の摂取量も継続してコントロールできていて、症状も安定したため、4週間分の漢方の処方を最後に治療終了となりました。
★アレルギーの原因を解明しましょう!★
食物の過敏性を検査することができます。例えばグルテンなど胃腸で消化できないものを摂取してしまうと、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、喘息などの症状が現れることがあります。治療をする際に、何に対してのアレルギーが発生しているかの原因を解明しながら、治療をしていくと、治療も早く進みます。
今回、ご紹介した「漢方治療」は、当院の古川先生が実施しています。
西洋薬にも詳しい古川先生の診察治療は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜20:00まで受けられます。土曜日でも診察が可能ですので、「日本からの常用薬がなくなってしまった方」は、この機会に、ぜひお問い合わせください。
当院での診察予約やご質問お問い合わせがある方は、下記のフォームから、ご相談お問い合わせください
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ED(勃起不全)を本場の漢方治療で改善!
ED(勃起不全)とは、「勃起機能の低下」を意味する英語Erectile Dysfunctionの略です。専門的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」とされています。つまり、勃起が起こらないケースはもちろんのこと、硬さが不十分、勃起状態が維持できないなど、満足な性交が行えるだけの勃起が得られない状態は、いずれもED(勃起不全)となります。
1998年に行われた調査によると、中等度ED「たまに勃起、性交中勃起は維持できる」と、重度ED「勃起せずに性交不可能」の日本人男性(成人)は、約1130万人でした。
年代別に見ると、なんと日本人男性の40歳代の5人に1人、50歳代の2.5人に1人、60歳代の1.7人に1人が中等症以上のED(勃起不全)ということになります。
実はED(勃起不全)は身近な疾患と言えます。女性は更年期障害という症状がありますが、EDは男性の更年期における、よくある疾患なのです。
EDを引き起こす原因
EDを引き起こす要因は多々あります。
ストレス、内臓疾患及び内服薬の副作用、アルコール、手術または怪我の影響、など。
また、EDは生活習慣の乱れから発生することが多く、特に若くしてEDになる場合は生活習慣病に由来するものだと考えられます。30代くらいから代謝低下を感じる方が増えてきますし、この頃から下半身の減退を感じる方も多くなります。基礎代謝が低下していると感じたらED対策が必要です。体脂肪と血中脂質を減らすことも大事な要素です。
また、一般的に大きな原因と考えられている「年齢」も、実は年齢が理由だけで発症しているケースはほとんどなく、多くは、下記のような身体の疾患そのものに原因があると言われています。
ですので、治療のポイントはこれらの外的要因を改善しつつ、ED症状を改善していく・・・まさに「中医学(漢方や鍼治療)」が得意とする治療方法なのです。
EDに対する漢方・鍼治療の選択肢
現在、医師の処方箋で出されていないED対策用のサプリメントや精力剤は、すべてのケースで効果的でないか、副作用があります。ネット販売のED治療薬は、半数近くが偽造品との調査データがあります。インターネットで購入したり、友達から貰ったりしたものを安易に服薬してはいけません。必ず医療機関で診察と処方を受けましょう。
当院が行う中医学治療は、ED治療に非常に効果的で副作用のない結果を出しています。
ではどのように治療を進めていくのでしょうか?今日は、その一部をご紹介します。
漢方薬
漢方薬は、EDの原因となるエネルギー不足や精神的な不調を、身体の内側から改善しようとするものです。中国医学におけるEDは、「腎(じん)」のエネルギーが弱る「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる状態によるものと考えられています。「腎」は生きるエネルギーを蓄える器官で、老眼、物忘れ、白髪など老化に伴う諸症状の多くは「腎虚」によるものです。EDもその一つと考えます。
鍼治療
鍼灸は、ED治療効果の高い方法として、今は世界中で使用されています。
まずは、鍼治療で全身を調整し自律神経のバランスを整えていきます。また、自律神経調整治療に加えて、腎の陽気を補う(補腎)の治療も同時に行います。
また、骨盤内動脈の血流量を増やすために、下腹部と仙骨穴に置鍼+電気刺激も行います。EDは、下半身に十分な血液を送る事が出来ないために発生する症状なので、体内の血流を改善する事が最優先事項なのです。
鍼はまた、前立腺の炎症などの関連する泌尿器系の疾患も同時に治療し、全身のバランスを整える重要な治療になってきます。
診察について
当院の診察は問診が中心となります。患部への触診等はありません。
今回、ご紹介した「ED改善の漢方と鍼治療」は、当院の黄健理先生と古川先生が実施しています。
50年以上の臨床経験と研究から裏付けされた、黄健理先生のED治療は、効果も非常に高く今まで多くの患者を改善に導いてきました。黄健理先生と古川先生の診察治療は、黄浦クリニックと虹梅路クリニックで、夜20:00まで受けられます。土曜日でも診察が可能ですので、今、EDにお悩みの方は中国にいる今、この機会にぜひ、お問い合わせください。
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